金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2009年03月04日

血小板と凝固因子:血液凝固検査入門(2)

血栓止血の生理と病態:血液凝固検査入門(1)から続く。

血液凝固検査2
血液はなぜ凝固するのでしょうか?

血液凝固検査入門(インデックスページ) クリック! 血液凝固検査入門シリーズの全記事へリンクしています。

止血(hemostasis)は、生理的状態です。この機序がありませんと、人間は生存することができません。

一方、血栓症(thrombosis)は、病的状態です。脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓に代表されるように、血栓症は最悪の場合は人間の命を奪ってしまうこともある怖い病態です。

しかし、不思議なことに、止血という人間にとってはありがたい状態も、血栓という人間にとってはありがたくない状態も、同じ役者が登場します。

すなわち、血管を反応の場としまして、「血小板」と「凝固因子」が手を取り合って止血しますし、同じく「血小板」と「凝固因子」が手を取り合って血栓症を発症させてしまいます。

ですから、血小板と凝固因子という役者は、良い事も悪いこともしているということができます。

(続く)

止血・血栓の機序 <図>:血液凝固検査入門(3)



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:38| 凝固検査 | コメント(0) | トラックバック(0)

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