2009年03月07日
トロンボモジュリン:血液凝固検査入門(5)
血管内皮:血液凝固検査入門(4)から続く。
血管内皮は、抗血栓作用という観点から極めて重要な働きを演じています。
前回の記事でも紹介させていただいたように、多くの善玉成分が存在しています。
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まず、トロンボモジュリン(thrombomodulin:TM)です。
トロンボモジュリンは、言わば2段戦法で凝固を阻止しています。
1) トロンビンとの結合:トロンボモジュリンはトロンビンを捕捉することで、まず抗凝固活性を発揮します。トロンボモジュリンに捕捉されてしまったトロンビンは、向凝固活性(フィブリノゲンをフィブリンに転換する作用、血小板活性化作用その他)が失われてしまいます。
2) このトロンビン-トロンボモジュリン複合体は、凝固阻止因子であるプロテインC(Protein C:PC)を活性化して、活性型プロテインC(Activated protein C:APC)に転換します。活性型プロテインCは、活性型第V因子(Va)や活性型第VIII因子(VIIIa)を不活化します。
このトロンボモジュリンは、最近お薬になりました。
具体的には、遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(recombinant thrombomodulin:rTM)(商品名:リコモジュリン)として、昨年5月に発売されました。
リコモジュリンは、究極の血栓症とも言えるDICの治療薬です。大変期待されている薬剤です。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:25| 凝固検査 | コメント(0)