DIC診断基準:厚労省、ISTH、急性期(図解37)
DIC診断でFDP(Dダイマー)のみの限界(図解36)から続く
参考書籍リンク:しみじみわかる血栓止血 Vol.1 DIC・血液凝固検査編 ← クリック
参考書籍:「臨床に直結する血栓止血学」(DICについては特に詳述されています)
世界的にDIC診断基準はいくつもありますが、日本で最も頻用されているのは、厚生労働省(厚労省)DIC診断基準でしょう。いわゆる1988年改訂版の旧厚生省DIC診断基準です。改訂版と言いましても、補助診断項目に若干の補足が加わったのみですので、実質は1980年に作成されたDIC診断基準なのです。
改訂版というのも気が引けるくらいに、日本で長らく使われています。こんなに長らく使用されているというのは、評価されるべき点が多いのだとは思いますが、一方で厚労省DIC診断基準には多くの問題点も指摘されています。この点は、今後の記事で触れたいと思います。
国際血栓止血学会(ISTH)の診断基準(2001年)は、internationalなDIC診断基準を作成しようとした点で評価されるものです。ただし、上記の図を見てもわかりますように、必ずしも評判の良くなかった厚労省DIC診断基準(実質20年以上前のもの)を模倣したものなのです。DIC診断基準をみても、いかに日本は世界をリードしていたかが分かります。20年以上の差をつけて先行していたことになるのです。
急性期DIC診断基準は、厚労省DIC診断基準の弱点、すなわち感染症に合併したDICの早期診断には非力であった点を改善しています。確かに、感染症に合併したDICの診断には急性期DIC診断基準は力を発揮するものと考えられます。しかし、造血器悪性腫や固形癌に合併したDICなどの症例には適応できないなど、適応できる疾患に制限がある点が今後の検討課題です。
【DIC関連のリンク】
播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】へ(シリーズ進行中!!)
血液凝固検査入門(全40記事)
DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)へ
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:12| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0)