2009年06月12日
DIC診断基準に足りなかったもの(図解41)
DIC診断基準と本態(図解40)から続く
世界中には、多くのDIC診断基準が存在しています。
しかし、これらのDIC診断基準に共通して足りなかったものがあります。
1)凝固活性化マーカー(TAT、SFなど):
DIC本態は、基礎疾患の存在下における全身性持続性の著しい凝固活性化状態です。
確かに、血小板数の低下や、FDP&Dダイマーの上昇は重要な検査所見ではありますが、決してDICの本態という訳ではありません。
やはり、DICの本態(凝固活性化)を反映するマーカーであるトロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)や可溶性フィブリン(SF)などを診断基準に組み込みたいところです。
2)線溶活性化マーカー(PICなど):
DIC病態は線溶活性化の程度によって大きな差異がみられます。
DIC診断基準本体のなかではなくても良いので、DICの病型分類に不可欠な線溶活性化マーカー(PICなど)を何らかの形で診断指針として取り上げたいところです。
(続く)
急性期DIC診断基準とは:救急領域(図解42)へ
【DIC関連のリンク】
播種性血管内凝固症候群(DIC)【図説】へ(シリーズ進行中!!)
血液凝固検査入門(全40記事)
DIC(敗血症、リコモジュリン、フサン、急性器DIC診断基準など)へ
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:42| 播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解) | コメント(0)