網赤血球:医学部CBT試験問題対策(血液内科領域)
出血性梗塞:医学部CBT試験問題対策(血栓止血領域)から続く
網赤血球はとても重要な検査です。貧血の症例では、必ず測定すべき検査の一つです。以下に関連記事をリンクしておきたいと思います。
汎血球減少のマネジメント:特に骨髄不全について
貧血患者へのアプローチ
さて、今回のCBT問題は、また臨床問題に戻りましたので、管理人にとってはちょっと一安心です。
網赤血球の増加がみられるのはどれか。
A. 腎性貧血
B. 溶血性貧血
C. 鉄欠乏性貧血
D. 再生不良性貧血
E. 巨赤芽球性貧血
【正誤の理由】
× A 腎不全では、腎でのエリスロポエチンの産生低下により赤血球産生障害を生じます。
○ B 溶血性貧血では、網赤血球が増加します。
× C 鉄欠乏性貧血では通常網赤血球の増加は見られません。ただし、本疾患に対して鉄剤を投与しますと、治療に反応して網赤血球が増加します。
× D 再生不良性貧血では造血能は低下しており、網赤血球は低下します。
× E 巨赤芽球性貧血では造血能は低下して、網赤血球は低下します。
【確認事項】
網赤血球数は、骨髄造血能(赤血球産生能)を評価するマーカーです。貧血では必ず測定する必要がある。
・ 網赤血球が増加する疾患病態:
溶血性貧血、急性出血、化学療法後の造血能回復期、鉄欠乏性貧血に鉄剤を投与した時など
・ 網赤血球が低下する疾患病態:
再生不良性貧血、発作性夜間血色素尿症、赤芽球癆、腎性貧血、巨赤芽球性貧血、鉄欠乏性貧血など
【正答】 B
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:34| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)