2009年08月22日
出血性梗塞:医学部CBT試験問題対策(血栓止血領域)
充血、うっ血、虚血:医学部CBT試験問題対策(血栓止血領域)から続く
前回に続きまして、病理学の要素も含まれた問題です。管理人の感覚と致しましては、出血性梗塞と言えば、まず脳梗塞の出血性梗塞を思い浮かべてしまいますが、病理学的には違うのだと思います。
出血性梗塞が起こりやすい臓器はどれか。
A. 脳
B. 肺
C. 心臓
D. 腎臓
E. 脾臓
【正誤の理由】
× A 脳は虚血性梗塞をきたします。ただし、臨床的には大きな脳梗塞では出血性脳梗塞の病態になる場合があります。
○ B 肺は出血性梗塞の病態になります。ただし、肺は肺動脈と気管支動脈のニ重支配を受けていますので、臨床的には肺梗塞にはなりにくいです(肺塞栓の言うのが正しいです)。
× C 心臓は虚血性梗塞をきたします。
× D 腎臓は虚血性梗塞をきたします。
× E 脾臓は虚血性梗塞をきたします。
【確認事項】
血栓症などのために動脈が急速に閉塞し、血流障害により限局性壊死をきたすことを梗塞と言います。
1) 虚血性梗塞(貧血性梗塞、白色梗塞):心、脳、腎、脾
2) 出血性梗塞(赤色梗塞):肺、腸、精巣、卵巣
【正答】 B
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:11| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)