凝固系検査:医師国家試験対策
線溶機序:国試験対策から続く。
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<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(6)
出血時間 の延長【頻出】
1. 血小板数の低下:種々の血液疾患、肝硬変など
2. 血小板機能の低下:血小板無力症、von Willebrand病、Bernard-Soulier症候群、尿毒症、アスピリンなどのNSAID(非ステロイド系消炎鎮痛剤)内服
3. 血管壁の脆弱性
<出血時間が正常の出血性疾患>【注意】
上記の1〜3を満たしていなければ出血時間は正常。
例:血友病A&B、ビタミンK欠乏症、ワルファリン投与、ヘパリン投与、第VIII因子インヒビター
プロトロンビン時間(PT)の延長【頻出】
1. 外因系凝固機序の凝固因子活性を総合的に評価.
2. ビタミンK欠乏症
3. ワルファリン療法時のモニタリング
4. 肝予備能の評価
5. DICでは、典型例で延長.
活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長【頻出】
1. 内因系凝固機序の凝固因子活性を総合的に評価.
2. 血友病A(FVIII欠損)、血友病B(FIX欠損)、von Willebrand病(FVIIIのキャリア蛋白であるvWFの低下によりFVIIIも中等度低下)
3. ビタミンK欠乏症、ワルファリン内服
4. ヘパリン投与
5. ループスアンチコアグラント陽性
フイブリノゲン (Fbg)
1. 炎症:上昇
2. DIC、肝不全:低下
PIVKA-II(Protein Induced by Vit K Absence-II)
1. ビタミンK欠乏症の診断
2. 肝細胞癌では、腫瘍マーカーとして上昇
アンチトロンビン(AT)
トロンビン、FXaなどの活性型凝固因子と1対1結合することにより凝固阻止作用を示す.
ヘパリンにより作用増強。
FDP & Dダイマー(上昇)【重要】
1. 播種性血管内凝固症候群(DIC)
2. 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)
3. 肺塞栓(pulmonary embolism:PE)
トロンビン-アンチトロンビン複合体 (TAT)(上昇):凝固活性化のマーカー
1. DIC【既出】
2. 各種血栓症,心房細動(とくにMS)
プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)(上昇):線溶活性化のマーカー
1. DIC
2. 一次線溶,線溶療法時,各種血栓症
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:13| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)