金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2009年09月17日

凝固系検査:医師国家試験対策

線溶機序:国試験対策から続く。


医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンクしています。

血液凝固検査入門(インデックスページ) こちらのシリーズ記事もご参考となれば幸いです。

 

<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(6)

 

出血時間 の延長【頻出】

1. 血小板数の低下:種々の血液疾患、肝硬変など

2. 血小板機能の低下血小板無力症von Willebrand病、Bernard-Soulier症候群、尿毒症、アスピリンなどのNSAID(非ステロイド系消炎鎮痛剤)内服

3. 血管壁の脆弱性


出血時間が正常の出血性疾患>注意】

上記の1〜3を満たしていなければ出血時間は正常。

例:血友病A&B、ビタミンK欠乏症、ワルファリン投与、ヘパリン投与、第VIII因子インヒビター

 

 

プロトロンビン時間(PT)の延長【頻出】

1. 外因系凝固機序の凝固因子活性を総合的に評価.

2. ビタミンK欠乏症

3. ワルファリン療法時のモニタリング

4. 肝予備能の評価

5. DICでは、典型例で延長.

 

 

活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の延長【頻出】

1. 内因系凝固機序の凝固因子活性を総合的に評価.

2. 血友病A(FVIII欠損)、血友病B(FIX欠損)、von Willebrand病(FVIIIのキャリア蛋白であるvWFの低下によりFVIIIも中等度低下)

3. ビタミンK欠乏症、ワルファリン内服

4.  ヘパリン投与

5.  ループスアンチコアグラント陽性

 

フイブリノゲン (Fbg)

1.  炎症:上昇

2.  DIC、肝不全:低下

 

PIVKA-IIProtein  Induced  by  Vit K  Absence-II

1. ビタミンK欠乏症の診断

2. 肝細胞癌では、腫瘍マーカーとして上昇

 

 

アンチトロンビン(AT)

トロンビン、FXaなどの活性型凝固因子と1対1結合することにより凝固阻止作用を示す.

ヘパリンにより作用増強

 

FDP & Dダイマー(上昇)【重要】

1. 播種性血管内凝固症候群(DIC)

2.  深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT

3. 肺塞栓(pulmonary embolism:PE

 

トロンビン-アンチトロンビン複合体 (TAT)(上昇):凝固活性化のマーカー

1. DIC【既出】

2. 各種血栓症,心房細動(とくにMS)

 

プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)(上昇):線溶活性化のマーカー

1. DIC

2. 一次線溶,線溶療法時,各種血栓症


(続く)

先天性出血性素因

 

 

【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:13| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

◆この記事へのコメント:

※必須