溶血性尿毒症症候群(HUS)&HELLP症候群:医師国家試験 問題対策
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):医師国家試験対策から続く。
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<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(24)
溶血性尿毒症症候群(HUS)【重要疾患】
Hemolytic Uremic Syndrome
<本態>
・微小血管内皮障害、および血小板活性化が原因となって,微小な血小板血栓が多発し,血小板数低下に伴う出血傾向とともに,腎不全をきたす.
・多発した微小血栓間を通過するため,赤血球破砕溶血性貧血の所見もきたす.
・乳幼児に多い.
・TTPの一亜型だが,TTPとは発症機序は異なる!
・予後は比較的良好.
<発症機序>
・TTPと異なり,vWF-CP(= ADAMTS13)に対する自己抗体の出現はない!
・病原性大腸菌の産生するVero毒素が原因となることも.
・上気道炎が先行することも.
・薬剤性のものもあり.
<三主徴>【完璧記憶!】
1. 血小板数減少
2. 溶血性貧血(赤血球破砕像)
3. 急性腎不全
<検査>
TTPと同じ + 腎不全の所見.
ただし、ADAMTS13に対する抗体の出現や、ADAMTS13活性の低下はない。
<治療>
腎不全の治療,血症交換など.
HELLP症候群【既出】【何の略か理解を!】
・産科での重篤な合併症.
・病態はTTP/HUSと類似する.自己抗体の出現はなし。
H:hemolysis(溶血)
EL:elevated liver enzyme(肝酵素の上昇)
LP:low platelet(血小板数減少)
血栓性微小血管障害(TMA)【話題】
thrombotic microangiopathy
・血栓性微小血管症とも
・TTP、HUS、HELLPなどをまとめた概念。
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP):脳
溶血性尿毒症性症候群(HUS):腎
HELLP症候群:肝
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:48| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)