金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2009年10月07日

自己免疫性血栓症 & 出血と血栓症の共存:医師国家試験 問題対策

溶血性尿毒症症候群(HUS)&HELLP症候群:医師国家試験対策から続く。

医師国家試験問題対策インデックスページ)へ ← 国試対策インデックスページの記事にリンク。



<医学部学生対象>
血液内科(血栓止血領域)(25)

 

自己免疫性血栓症【話題】

Autoimmune thrombosis、自己抗体関連の血栓症


1)抗リン脂質抗体症候群(APS)

リン脂質、またはリン脂質に結合した蛋白に対する自己抗体が出現

動脈血栓症、静脈血栓症、女性では不育症(習慣性流産:胎盤に血栓)


2)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

・von Willebrand 因子切断酵素(vWF-CP、ADAMTS13と同義)に対する自己抗体の出現

→同酵素の活性低下

→unusually large vWF multimerの形成

→血小板の凝集

→血栓症(特に脳)


3)ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)

ヘパリンを投与

→ヘパリン・PF4(血小板第4因子)複合体の形成

→同複合体に対する抗体の出現

→血小板に作用して血小板凝集

→血栓症

 



出血と血栓症の共存する病態【注意】

極めて治療が困難なことが多い

1)特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と、抗リン脂質抗体症候群(APS)の合併

2)播種性血管内凝固症候群(DIC)

3)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

4)溶血性尿毒症症候群(HUS)

5)HELLP症候群

6)ヘパリン誘発性血小板減少症(HIT)

7)骨髄増殖性疾患:本態性血小板血症(ET) &真性赤血球増加症(PV)

8)電撃性紫斑病

9)異常フィブリノゲン血症





(続く)
止血剤・血液凝固因子製剤



 【関連記事】

血液凝固検査入門(インデックスページ)ー図解ー

金沢大学第三内科HPへ 

金沢大学第三内科ブログへ 

研修医・入局者募集

研修医の広場金沢大学第三内科 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:14| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

◆この記事へのコメント:

※必須