2009年12月01日
血栓性素因の臨床症状:臨床検査からみた血栓症(3)
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上図は、血栓性素因の診断の流れです。上図のなかで、青字の部分が行うべき検査項目になっています。
前回分(血栓性素因診断の流れ:臨床検査からみた血栓症(2))の補足になっています。
【血栓性素因の臨床症状】
<先天性血栓性素因>
臨床所見として、以下がある場合には、先天性血栓性素因があることを予測して血液検査をすすめることのなります。
1)40歳代以前に発症
2)再発性
3)まれな場所の静脈血栓(脳静脈洞血栓、門脈血栓、腸間膜静脈血栓など)
通常、先天性血栓性素因のヘテロ接合体患者は幼少時には血栓はみられませんが、血栓症の70〜80%が40歳以前に発症します。
プロテインC(PC)やプロテインS(PS)欠損症のホモ接合体および複合へテロ接合体は極めてまれですが、新生児期より皮膚の壊死を伴う電撃性紫斑病や、重篤な静脈血栓症を呈することがあります。
先天性凝固制御因子欠損症の多くは常染色体優性遺伝形式をとりますので、男女比率に差は認めません。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 05:19| 血栓性疾患 | コメント(0)