2009年12月19日
血液凝固検査:血液内科試験問題
金沢大学 血液内科の試験問題解説を続けます。
今回の問題は、金沢大学では恒例のパターンです。また、この問題かと言われそうです。。。
参考記事:血液凝固検査入門
【設問】
. 下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が正しいのはどれか。一つ選べ。
疾患・病態 | 出血時間 | PT | APTT | Fbg | HPT |
a. ビタミンK欠乏症 | 延長 | 延長 | 延長 | 正常 | 低下 |
b. 血小板無力症 | 延長 | 正常 | 延長 | 正常 | 正常 |
c. 第V因子インヒビター | 正常 | 延長 | 延長 | 正常 | 低下 |
d. 後天性血友病 | 正常 | 正常 | 延長 | 正常 | 低下 |
e. von Willebrand病 | 延長 | 正常 | 延長 | 正常 | 正常 |
PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
HPT:ヘパプラスチンテスト
【解説】
b. 血小板無力症(=Glanzmann病)では、APTTは正常です。
c. 第V因子インヒビターでは、第V因子活性が低下しますので、PT&APTTは延長しますが、HPT(ビタミンK依存性凝固因子のうち、VII、X、IIを反映)は正常です。
d. 後天性血友病では、APTTは延長しますが、PT、HPTは正常です。
e. von Willebrand病では、APTT&出血時間が延長します(国家試験、卒業試験のヤマ中のヤマです)(血友病とvon Willebrand病の比較)
【正答】 e
【シリーズ記事】
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 06:51| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)