2009年12月20日
臨床検査と血栓症:血液内科試験問題
金沢大学 血液内科の試験問題解説が続きます。
この関連記事を続けてまいりましたが、医師国家試験対策や、専門医試験対策、卒業試験対策にもなるのではないかと思っています。
参考記事:臨床検査からみた血栓症
【設問】
下記の疾患のうち出血、血栓の両者がみられる疾患・病態はどれか。一つ選べ。
a. 電撃性紫斑病
b. 高Lp(a)血症
c. Trousseau症候群
d. 異常プラスミノゲン血症
e. 組織プラスミノゲンアクチベータ産生腫瘍
【解説】
a. 電撃性紫斑病は、プロテインC活性が著減した時にみられる、著しい血栓傾向です。
皮膚の微小循環レベルで微小血栓が多発して循環障害をきたします。そして、二次的に出血をきたして紫斑を生じます。
究極の血栓傾向であり、出血、血栓の両者がみられるという点で、播種性血管内凝固症候群(DIC)と類似した病態ということができます。
b. 高Lp(a)血症では、血栓傾向になります。
c. Trousseau症候群は、癌に遊走性血栓性静脈炎をきたす病態です。
d. 異常プラスミノゲン血症では、血栓傾向になる可能性があります。
e. 組織プラスミノゲンアクチベータ産生腫瘍では、線溶活性化に伴う出血傾向をきたします。
【正答】 a
【シリーズ記事】
研修医の広場(金沢大学第三内科) ← 当科での研修の様子をご覧いただくことができます。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 07:12| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)