輸血学:血液内科試験問題
今回の金沢大学血液内科の系統講義試験問題から、輸血学の領域です。
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【輸血学の問題】
1. 血液製剤に関して誤っているものはどれか。1つ選べ。
a) 400 mL全血献血から2単位の赤血球製剤ができる。
b) 免疫グロブリン製剤は血漿分画製剤である。
c) 凍結赤血球製剤は、まれな血液型へ対応するため用いられる。
d) 血液製剤から白血球除去を行う目的は、副作用予防である。
e) 血液製剤は非特定生物(由来)製品である。
2. 血液製剤に関して正しいものはどれか。1つ選べ。
a) 赤血球製剤は20-24℃で振とう保存する。
b) 赤血球製剤の有効期間は採血後21日間である。
c) 血漿製剤の有効期間は採血後10年間である。
d) 血小板製剤の有効期間は採血後2日である。
e) 血液製剤を生理食塩水と併用することはできない。
3. 輸血前検査に関して正しいものはどれか。1つ選べ。
a) オモテ検査は交差適合試験の一種である。
b) ABO式血液型検査の原則は、1回採血・2回検査である。
c) 患者のHAV・HBV・HCV検査を行う。
d) ABO式血液型検査・RhD式血液型検査・不規則抗体検査を合わせてT&Sと呼ぶ。
e) Rh陽性とは一般にRhE抗原陽性を指す。
4. ABO型不適合赤血球輸血について誤っているものはどれか。1つ選べ。
a) 死亡率は約20%である。
b) O+血液をA+患者に輸血しても、ABO型不適合輸血にはならない。
c) ショックやDIC、腎不全に備える。
d) バイタルサインを測定したのち輸血を中止する。
e) 原則ICU管理とする。
5. 不規則抗体について正しいものはどれか。1つ選べ。
a) 血液型関連抗体は全て不規則抗体である。
b) 不規則抗体の陽性率は10-20%である。
c) 妊婦に対する不規則抗体検査は不要である。
d) 自然抗体は主にIgMである。
e) 自然抗体は主に輸血・妊娠・移植により産生される。
6. 輸血療法に関して正しいものはどれか。1つ選べ。
a) 体重80kgの患者に赤血球製剤を2単位輸血すれば、Hbは約1 g/dlL昇する。
b) 輸血した血小板の約5%は脾臓に捕捉される。
c) 血清アルブミン値2.0 g/dLは、アルブミン投与の絶対適応である。
d) 新鮮凍結血漿は、融解後12時間以内に輸注する。
e) アルブミン投与後の血管回収率は通常100%である。
【正答】
上から順番に、
1. e
2. b
3. d
4. d
5. d
6. a
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 21:17| 医師国家試験・専門医試験対策