2010年03月02日
特発性骨髄不全と免疫:金沢大学血液内科 中尾教授より-11
PNH型血球と再生不良性貧血:金沢大学血液内科 中尾教授より-10 より続く
【骨髄不全研究の展望】
私たちの検討により特発性骨髄不全における免疫病態のかなりの部分が明らかになってきました。
当初の目的のように、再生不良性貧血研究で得られた知見を白血病の治療に応用するところにまではまた至っていませんが、PNH型血球を対象とした片桐孝和君(金沢大学病態検査学大学院生)、杉森尚美君、山崎宏人君らの検討により、ヒト造血幹細胞の分化機構が明らかにされつつあります。
また、留学生の祁君や高松君、修士課程の桜井君らによって、再生不良性貧血における新しい自己抗体も次々に同定されています。
この領域の研究は今後も金沢大学血液内科が世界の中心となって進んでいくと思われます。
研究の対象はそれほど広い訳ではありませんが、患者さんをしっかり診ることによって得られる発見や、それを臨床に還元することの喜びをこれからも若い人に伝えていきたいと思っています。
(続く)
再生不良性貧血とPNH型血球(金沢大学血液内科):インデックス
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 04:30| 血液内科