平成28年度血液内科学系統講義試験
平成28年度血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成28年7月13日 水曜日 試験時間 15時00分〜16時00分(60分間)
問1. スライドの細胞は何か?細胞名を記入せよ。
1) (単球 )
2) (好酸球 )
3) (好塩基球 )
4) (巨核球 )
5) (赤芽球 )
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49
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B7-DC/PD-L2発見とB7-DC-Fc免疫チェックポイント阻害剤開発の経緯
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)OBの土屋先生から貴重な寄稿をいただきました。 医局員にとっても、良い刺激になるのではないかと思います。
「B7-DC/PD-L2の発見とB7-DC-Fc免疫チェックポイント阻害剤開発の経緯」
土屋晴生(昭和62年入局)
はじめに
金沢聖霊総合病院の土屋です。
もし覚えていてくださる方がいたら大変光栄ですが、今回お話させていただくB7-DC/PD-L2については、2002年、私が帰国した直後に中尾先生から機会をいただき、その発見と経緯を一度医局で報告させていただきました。それは、免疫チェックポイント阻害剤が市場に出現するよりも、遥か以前の話です。当然、本庶先生やPardoll先生が日本のテレビでそれを紹介したのも、(ご覧になった方もいらっしゃると思いますが)、私の発見よりもだいぶ後という事になります。
ともあれ、私が免疫の仕事を始めたのは、もちろん3内に入ったからですが、それは当時免疫グループの中心だった、森先生、塩原先生、末永先生たちに惹かれての事でした。その森先生が2015年、悲しくも他界され、本年(2016)末永先生や上田先生を中心に森先生を偲ぶ会が開かれました。その会で、森先生と懇意だった方々と久しぶりにお会いし、私がB7-DC/PD-L2の仕事に携わっていたことをお話したところ、原田先生、織本先生たちから同門の方々にもぜひお知らせしてはどうかという話になりました。そして、織本先生が朝倉先生に連絡を取り付けてくださり、今回こうして皆さまに報告する運びとなった次第です。それでは、僭越ではありますがその経緯を記したいと思います。
経緯
1997年 The Johns Hopkins Uiversityに留学。腫瘍免疫が専門のPardoll先生の研究室。
1998年 cDNA subtractionという方法を用い、樹状細胞に特異的遺伝子のスクリーニングを行いました。樹状細胞の中に免疫療法に使えるような分子が発現しているに違いないので、それを調べることが目的でした。いくつか報告されていない遺伝子がありました。その中にB7-DC/PD-L2がありました。
1999年 遺伝子配列のデータベースであるGenBankに当初はBtdcと命名して登録しました。これはbutyrophilinというmilk proteinに似ていたからです。butyrophilinはbroad B7 familyであることが報告されていました。後日ここに登録した事が重要な意味を持つ事となりました。 AF142780 1755 bp mRNA linear ROD 01-JUN-1999Mus musculus butyrophilin-like protein (Btdc) mRNA, complete cds.
年末にMayo clinicのLieping Chen先生達がB7-H1を発見し報告しました。 我々は、BtdcとB-H1が非常にhomologyが高いことに気づきました。 B7-H1, a third member of the B7 family, co-stimulates T-cell proliferation and interleukin-10 secretion. Nat Med. 1999 Dec;5(12):1365-9.
2001年 Harvard Medical Schoolのグループが以前B7-H1として報告されていた分子がPD-1のligandであることを発見し、PD-L1と命名しNature Immunologyに投稿しました。同時に我々がGenbankに登録したBtdcをhomology searchで見つけ、これもやはりPD-1のligandであることを発見しPD-L2と命名されました。下記論文には、我々がGenbankに登録したBtdcを引用したことが記載されています。
PD-L2 is a second ligand for PD-1 and inhibits T cell activation. Nat Immunol. 2001 Mar;2(3):261-8.
同時に我々も知らずに同誌に投稿していたのですが、rejectされ、遅れてRalph Steinman先生(故人)(のちにノーベル賞受賞)に頼んでJournal of Experimental Medicineに投稿しました。論文に発表する際にBtdcをB7-DCと改名しました。
B7-DC, a new dendritic cell molecule with potent costimulatory properties for T cells. J Exp Med. 2001 Apr 2;193(7):839-46.
2002年 帰国。
2003年 最初のB7-DC/PD-L2ノックアウトマウスの論文が発表されました。
Cooperative B7-1/2 (CD80/CD86) and B7-DCcostimulation of CD4+ T cells independent of the PD-1 receptor. J Exp Med. 2003Jul 7;198(1):31-8.
2004年 B7-H1/PD-L1の発見者Lieping Chen先生がMayo clinicからThe Johns Hopkins Universityに移籍されました。
2005年 2報目のB7-DC/PD-L2ノックアウトマウスの論文が発表されました。 In vivo costimulatory role of B7-DC in tuning T helper cell 1 and cytotoxic T lymphocyte responses. J Exp Med. 2005 May16;201(10):1531-41.
2007年 Pardoll先生とChen先生達によりThe Johns Hopkins Universityのventure企業Amplimmune社が設立されました。この会社はB7関連分子を用いた免疫療法の開発を行っていました。
2010年 Amplimmune社とグラクソ・スミスクライン社がAMP-224で提携発表。AMP-224とはB7-DC-Fc融合タンパクのことです。
2012年 Pardoll先生の奥様のTopalian先生が、抗PD-1抗体の臨床治験結果を発表。
Safety, activity, and immune correlates of anti-PD-1 antibody in cancer. N Engl J Med. 2012 Jun 28;366(26):2443-54.
2013年 Amplimmune社はアストラゼネカ社に買収されました。
2016年 現在、AMP-224はphase1の臨床治験中。
最後に
以上、たくさんの出来事の中から、エポックメーキングな事のみを、公開された情報を整理する形でまとめてみました。
PD-1は日本で開発された経緯もあり、皆さまのよく知るところだと思いますが、その研究は京都大学が中心になって行われました。そして、京都大学の本庶先生の元で、織本先生の金沢大学の同級生のかたが、PD-1のcloningに深くかかわっていらっしゃったということです。このようにPD-1とPD-L2の発見には、金沢大学出身者が大きな貢献してきました。さらにB7-H1は、Lieping Chen先生(Mayo clinic)の研究室で日本人の方が発見に携わっていたそうですし、Pardoll先生(The Johns Hopkins University)の研究室には千葉大学や山口大学の先生たちも留学されていて、上記論文の共著者となっています。このように、この仕事は日本人の貢献に負うところが大きいと言えるでしょう。
こうして発見されたB7-H1,B7-DCですが、これらは補助刺激因子B7のfamilyとして、免疫活性化分子として報告されました。一方Harvard Medical Schoolで、これらがPD-1のリガンドであること、更に免疫抑制分子として働くことが報告されました。最終的には免疫応答を制御する他の分子とともに、補助刺激因子ではなく, 免疫チェックポイント分子と呼ばれるようになった訳です。
B7-DC/PD-L2は、発見からほどなくマウスを使った基礎研究の時代が終わり、ベンチャー企業の設立、大手製薬会社との提携、そして現在行われている臨床治験へと段階を踏んで進んでいます。ここに至るには20年に近い歳月を要した訳ですが、この長い時間を私は、最初はアメリカでの基礎研究、その後は金沢で内科医として働きつつ過ごしました。 最近になり、こうした経緯を親しい方々にお話しすると、どうしてアメリカから帰ってきたのか、どうして日本で研究を継続しなかったのか、と質問される事がよくあります。実際、Pardoll先生は是非アメリカに残ってくれとおっしゃってくださいましたし、帰国して何か別の研究を続けることもできたかもしれません。ただ私は思うところあってその道を選びませんでした。
AMP-224はまだ臨床治験中ですし、今後実際に薬として市場に登場してくるかは未知の話です。臨床治験が終わるだけでも、この先何年も要するでしょう。こうした研究が、今後全ての人々の幸せにつながってほしいと切に願っています。
ありがとうございました。
土屋晴生
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:25
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金沢大学第三内科(血液内科)スタッフ
金沢大学第三内科(血液内科)のスタッフです。
いつもお世話になり、ありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ:インデックス
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
「血液・移植グループ」
1)スタッフ
2)病棟と研究
3)微小残存病変 (MRD)と多発性骨髄腫
4) iPS cells
5)腫瘍抑制遺伝子Retinoblastoma1 (RB1)
6)6pLOH
7)hematopoietic stem cells (HSCs)
8)PIGA遺伝子変異造血幹細胞
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(8)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(8)
<丸山佳奈>
免疫抑制療法が奏功する再生不良性貧血でしばしばGPIアンカー膜蛋白を欠失したPNH型血球が検出されますが、正常造血幹細胞による造血が抑制されている中で何故PIGA遺伝子変異造血幹細胞が造血を支持できるのかということを調べています。
CD109はGPI膜蛋白で、抑制性シグナルを持つTGF-βのco-receptorとして知られています。
PIGA遺伝子変異幹細胞がCD109を欠失していることによって抑制性シグナルから逃れ、造血方向に優位に働くのでは無いかと考えています。
現在、cell line(Wild type, PNH type, CD109ノックダウンtype)、CD109ノックアウトマウスを用いて検証中です。
最後になりますが、来年度は中尾教授が会長として第77回日本血液学会学術集会 ’ Learning human biology from patients.’ が金沢で開催されます(10月16〜18日、石川県立音楽堂)。
次号では学術集会の様子をお伝え出来ると思いますが、今後とも尚一層のご支援のほどよろしくお願いいたします。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(7)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(7)
<Nguyen Hoang Viet>
Acquired aplastic anemia (AA), a bone marrow failure characterized by pancytopenia and bone marrow hypoplasia, is an autoimmune disease caused by cytotoxic T cell (CTL) attack against autologous hematopoietic stem cells (HSCs).
Autoantigens capable of eliciting the CTL against HSCs in AA have been extensively studied by many researchers over the years, but none of the studies have been successful so far.
The failure in identifying autoantigens of AA is mainly due to a lack of HSCs that are necessary to establish CTLs from patients’ T cells specific to autoantigens presented by HSCs in vitro.
I plan to produce HSCs from induced-pluripotent stem (iPS) cells that are induced from AA patients’ B lymphocytes.
The sufficient number of HSCs from iPS cells should allow us to establish CTL clones specific to autologous HSCs and also to identify target autoantigens of the CTL clones using the expression cloning method.
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(6)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(6)
<Dao Thi Thanh An>
My work in lab is to study about regulatory T cell subsets in Cyclosporine dependent aplastic anemia patients and also in HSCT patients treated with post transplantation Cyclophosphamid.
<材木義隆>
1)再生不良性貧血患者(AA)に高率に検出される、6番染色体短腕のコピー数変化を伴わないヘテロ接合性の喪失(6pLOH)によって片親由来のHLA遺伝子群を欠失した血球の簡便な検出法としてデュプレックスリアルタイムPCR(2qPCR)を開発しました。
2qPCRを用いて新規AA患者における6pLOHの頻度を検討するとともに、骨髄バンクから提供していただいたAA患者のDNAを用いて6pLOHによるHLA欠失が移植予後に及ぼす影響について検討中です。
2)6pLOHによるHLA欠失血球をフローサイトメトリーで検出するために、抗HLA抗体陽性の患者末梢血を用いた抗HLAモノクローナル抗体の作成にも取り組んでいます。
3)免疫抑制療法の奏効する骨髄不全症患者の分子マーカーの探索を行っています。
4)ABO副不適合造血細胞移植後に産生される抗レシピエントA/B抗体による血管内皮障害の影響について病理学的な検討を行っています。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:31
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(5)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(5)
<吉田晶代>
自分は金沢大学がん進展制御研究所腫瘍分子生物学講座にて研究させて頂いております。
同講座は、腫瘍抑制遺伝子として知られる Retinoblastoma1 (RB1) について多角的に研究しています。
多くの癌腫でRB1の発現ないし機能は抑制されています。
RB1 の古典的な機能として細胞周期制御が知られていますが近年、TP53 や RAS との関与も指摘され、また、代謝や炎症の制御を介した腫瘍の幹細胞性維持や治療薬剤抵抗性についての知見も得られています。
自分は当初、Rb1を欠失した腫瘍細胞における活性酸素の動態を研究し、その後、Rb1を欠失した腫瘍細胞において悪性進展に影響を及ぼす microRNA を探索しその制御を検証するというテーマのもと研究を進めております。
また、トランスクリプトーム等のマスデーターの解析もしております。
生物・薬理・工学・情報処理等の様々な分野の研究者の考えに触れながら勉強出来ることは本当に楽しいです。
このような機会を頂けましたことに心より深く感謝申し上げます。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:28
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(4)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(4)
【Luis Espinoza】
As a senior researcher in the lab, I advise graduate students about experiments design for their corresponding projects. In addition I have my own projects as described hereafter.
Current projects:
1. Using iPS cells to identify autoantigens involved in the pathogenesis of aplastic anemia. In this project I will use iPS cells derived from patients with aplastic anemia to generate hematopoietic cells suitable reconstitute the immune system of immunodefficient mice with the purpose of identify potential antigens that may be targeted by immune cells of patients with aplastic anemia.
2. Identification of Non-HLA factors that influence the clinical outcomes of patients receiving hematopoietic stem cells transplantation for hematological malignancies. Using DNA samples from patients transplanted through the Japan Marrow Donor Program and taking advantage of the TaqMan genotyping technique, I look for genetic variants on genes involved in the immune response, as well on cell metabolism and their influences on transplant outcomes. Current gene targets are CISH, CD53, NLRP3, IDH1 and others.
3. Identification of new pharmacological agents that may useful for the treatment of refractory leukemia. By using a panel of 25 leukemia cell lines and primary leukemia cells derived from patients, I am investigating the therapeutic potential of novel agents (preferentially non cytotoxic drugs) against refractory leukemias. These studies have allowed to identify some agents with attractive potential such as benfotiamine, Gnetin C, thymoquinone and others.
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<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:23
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(3)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(3)
<高松博幸>
ASO-PCR法と比べてさらに高感度である次世代シークエンサー(NGS)法による微小残存病変 (MRD)の有無が多発性骨髄腫の予後に大きく関わることと、自家移植後の地固め・維持療法により長期無増悪生存が可能であること(図1A & B)を報告しました(2014年米国血液学会)。
その結果に基づいてJSCT-MM14臨床研究、下総MM-01 VCDスタディという全国規模の臨床研究に参加しています。
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<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:16
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(2)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(2)
病棟の様子は、移植後早期にシクロフォスファミドを投与するHLA半合致移植などリスクの高い症例に対する造血幹細胞移植が増加し、高橋、鎧高、中川の同期の後期研修医3人と丸山裕之、松浦が中心となって重症例が多くを占める日々の診療を支えてくれました。
本年度は新たに12の臨床試験を申請し、積極的に臨床研究にも取り組んでいます。
実験室の様子は、新たに研究期間に入った丸山佳奈を含め、吉田、材木の3名がリサーチ漬けの毎日を過ごしています。
ベトナムからの留学生はDao Thi Thanh AnとNguyen Hoang Vietの2人になりました。
このほか、アメリカのNational Institutes of Health (NIH)に留学していたLuis Espinozaは大学に戻り7月に博士研究員として赴任しましたが、10月からは日本学術振興会特別研究員に採用され外国人研究者として後進の指導とともに研究に励んでいます。
7月から10月までの4ヶ月間フィレンツェ大学からLucia Gargiuloが骨髄不全症の研究のために外国人研究者として短期留学に訪れたこともあり、実験室は例年以上に国際色豊かなものでした。
それでは続いて、研究内容と進捗は担当者それぞれから説明してもらった内容を紹介します。
誤訳があるといけませんので、英文はそのまま転記しています。
金沢大学第三内科/血液・移植グループ:インデックス へ
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11
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金沢大学第三内科/血液・移植グループ(1)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会報の原稿からです。
今回は研究室紹介です。
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「血液・移植グループ」(1) 文責:近藤恭夫
まずは嬉しい事からご報告します。
本年度、米山聖子(よねやませいこ)、高橋稚奈(たかはしわかな)、東郷泰平(とうごうたいへい)の3名が新たに研究室のメンバーに加わってくれました。
5年目の米山は卒業後黒部市民病院で山内博正先生、高松秀行先生の指導のもと研鑽を積んでいます。
高橋は3年目の後期研修医として病棟を支えてくれました。
東郷は内科専門コース(血液内科)の1年目で、7月以降JCHO金沢病院で研修に臨んでいます。
本年度人生最良の日を迎えたメンバーもあります。
9月に材木が素敵な伴侶を得ています。
7月には丸山と本宮が結婚し研究室内にビックカップルが誕生しました。
本年度大学所属の血液・移植グループスタッフは、中尾教授、大竹教授、教官6名(山崎、近藤、石山、高松、大畑、青木)、医員4名(杉森、松浦、高橋、鎧高)、大学院生5名(吉田、丸山裕之、丸山(旧姓本宮)佳奈、材木、中川)でした。
山崎は昨年度愛知医科大学医学部血液内科主任教授にご就任された高見昭良先生の後任として輸血部長に就任し、活躍の場を医局内から病院内に広げて敏腕を振るっています。
7月から外来医長を務めている石山は3年ぶりに都立大塚病院から大学に戻り研究室内に新しい風を吹き込んでくれました。
高松は初期研修医の教育を担当すると伴に、骨髄腫領域で精力的に研究を行って全国規模の臨床研究でも活躍しています。
大畑はBSL係として5年生の教育を担当し、白血病、造血幹細胞移植の分野で日本成人白血病研究グループ(JALSG)、日本細胞移植研究会(JSCT)との臨床研究推進を担当しています。
本年度から採用になった青木は6年生のクリニカルクラークシップを担当し、新入医局員の勧誘でも頑張ってくれました。
本年度から医局長を拝命した近藤は研究室への貢献度が低く来年度への課題です。
金沢大学第三内科/血液・移植グループ:インデックス へ
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:03
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第77回日本血液学会学術集会(金沢)に向けて
第76回 日本血液学会学術集会(大阪)が始まります。
来年の第77回日本血液学会学術集会(金沢;会長 中尾眞二)に向けて、大阪でプログラム企画委員会が開催されました。
北陸新幹線も開通されますので、多くの皆様にご参加いただけるものと期待しています。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47
| 血液内科
第76回 日本血液学会学術集会
第76回 日本血液学会学術集会(大阪)が始まります。
当科からも多数の発表があります。
来年は、中尾教授のもと、金沢で開催されます!
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37
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金沢大学第三内科:血液・移植グループ(インデックス)
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(6)より続く。
「血液・移植グループ」(インデックス) by 山崎宏人
1)人事
2)第35回日本造血細胞移植学会総会
3)教官の動向
4)研究:細川晃平/吉田晶代
5)研究:高松博幸
6)研究:齊藤千鶴/丸山裕之/材木義隆
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01
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金沢大学第三内科:血液・移植グループ(6)
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(5)より続く。
「血液・移植グループ」(6) by 山崎宏人
5. 研究
【齊藤千鶴】
骨髄不全の発症メカニズムに関わる病態解析を行っています。
免疫学的攻撃が関与した骨髄不全においてSLIT1という遺伝子の変異を持つ症例があることを認め、この遺伝子が造血細胞の増殖抑制にも関わっていることを確認し、骨髄不全との関係をまとめているところです。
【丸山裕之】
再生不良性貧血患者(AA)の一部では、片側のHLAクラスIアレルを欠失した白血球が検出されますが、これは造血幹細胞の提示する自己抗原を認識して攻撃するCTLからの免疫逃避の証拠と考えられます。
当院の検討では、診断時のAA患者の約20%で上記血球が陽性となり、陽性患者では陰性患者と比べATG+CsA療法の奏効率が高い傾向があることがわかりました。
より症例数を増やして検討を進める予定です。
また、上記片側HLAクラスIアレル欠失血球陽性例の一部では、欠失HLAアレルが抑制性KIR(NK細胞免疫グロブリン用受容体)のリガンドであることがわかりました。
本来、このようなmissing self細胞ではNK細胞活性化によりkillingを受けると考えられますが、AAでは上記血球が恒常的に存在していることから、何らかのNK細胞免疫寛容機構が存在する可能性を考え、検討を行っております。
【材木義隆】
現在の研究内容です。
1. マルチプレックス定量PCR法による6pUPDの検出
2. 再生不良性貧血患者における免疫抑制療法の奏効性を予測するマーカーの同定→骨髄単核球のNr4a
3. ABO副不適合造血細胞移植後のABO抗体産生と補体の活性化
4. 抗HLAモノクローナル抗体の作成
(続く)
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:51
| 血液内科
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(5)
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(4)より続く。
「血液・移植グループ」(5) by 山崎宏人
5. 研究
【高松博幸】
ASO-PCR法と比べてさらに高感度である次世代シークエンサー(NGS)法による自家移植片中微小残存病変 (MRD)の有無が多発性骨髄腫の予後に大きく関わることと、自家移植後の地固め・維持療法により長期無増悪生存が可能であること(図1A & B)を報告しました(2013年米国臨床腫瘍学会、米国血液学会)。
その結果に基づいて「症例特異的プライマーを用いた多発性骨髄腫微小残存病変検出と予後に関する検討(北陸造血器腫瘍研究会、JSCT-MM12臨床研究、下総MM-01 VCDスタディ)」と「次世代シークエンサーを用いた多発性骨髄腫微小残存病変の検出と予後に関する検討」という全国規模の臨床研究を遂行しています。
(続く)
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43
| 血液内科
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(4)
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(3)より続く。
「血液・移植グループ」(4) by 山崎宏人
5. 研究
今年もそれぞれから紹介してもらいます。
【細川晃平】
13q欠失を伴うMDS-UはPNH型血球が高率に検出され、免疫抑制療法によって改善する良性の骨髄不全である事を報告しました(第26回内科学会奨励賞)。
再生不良性貧血患者において、高頻度に検出される可溶性血漿HLAペプチドームを同定し、それらの一部が既知の腫瘍関連ペプチドに一致する事を報告しました(2013年日本血液学会、優秀ポスター賞)。
また、シクロスポリン単独療法で改善する早期の再生不良性貧血では骨髄中のNr4a familyの発現が亢進している事を報告しました(2013年米国血液学会)。
【吉田晶代】
現在、金沢大学がん進展制御研究所腫瘍分子生物学講座にてご指導頂いております。
講座の主な研究テーマは、腫瘍抑制遺伝子Rbが腫瘍細胞においてどのように腫瘍としての動態を制御しているかを明らかにすることです。
講座のメンバーはそれぞれ、Rbによる転写・脂質代謝・炭素代謝・炎症などの制御とそれによる腫瘍細胞の増殖や幹細胞性への影響などを様々な手法を用いて研究されております。
自分は、RbによるROS制御・Rbにより発現変動するmiRNAの探索とその意義・Rbに制御される発現変動遺伝子群の同定とその機能解析などを明らかにするというテーマを頂いて研究を始めました。
約1年経ちましたが、多少知識は増えてもまだ勉強せねばならぬ事は限りなく多く、研究的思考も身につかぬ自分に時折愕然とします。
けれど、講座の皆様が熱心に且つ楽しそうに研究されている姿勢に励まされ、自分ももっと精進しなければと思います。
基礎研究には診療・臨床研究とは違う大変さと楽しさがあると感じます。
基礎研究に触れる時期を持てたことは悦びでありますがその事のみに満足せず、皆様のご指導のもと結果を出せるよう引き続き努めます。
(続く)
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36
| 血液内科
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(3)
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(2)より続く。
「血液・移植グループ」(3) by 山崎宏人
4. 教官の動向
近藤は今年度から病棟医長に就任し、大学診療にも求められるようになった「病院経営」の一翼を担っています。
小谷はBSL係として5年生の教育を担当しています。
彼が企画する病棟クリスマス・コンサートはすっかり定着し、病棟スタッフにとっても恒例行事の一つになりました。
リンク:
金沢大学附属病院第三内科(血液・呼吸器内科)病棟(1)
金沢大学附属病院第三内科(血液・呼吸器内科)病棟(2)
高松は6年生のクリニカルクラークシップを担当しました。
また、骨髄腫領域での活躍もめざましく、彼の研究テーマである「多発性骨髄腫の微小残存病変(MRD)」をテーマにした講演にも引っ張りだこです。
大畑は今年度から当科における日本成人白血病研究グループ(JALSG)の施設責任者(運営委員)となり、臨床研究の推進を担当しています。
(続く)
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:27
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金沢大学第三内科:血液・移植グループ(2)
金沢大学第三内科:血液・移植グループ(1)より続く。
「血液・移植グループ」(2) by 山崎宏人
3.学会の開催
平成25年3月7日〜9日の3日間、石川県立音楽堂、ANAクラウンプラザホテル金沢、ホテル日航金沢、金沢市アートホールの4会場を用いて、中尾教授が第35回日本造血細胞移植学会総会を主催されました。
医師はもちろん、造血幹細胞移植チームを構成する様々な職種のスタッフ約2,700名が一同に会し、盛会裏に終えることができました。
今回の総会では、中尾教授が掲げた『移植がもたらす「無限の喜び」‐奇跡の検証とこれから‐』のテーマに沿って、4つのシンポジウムと6つのワークショップが企画されました。
会長シンポジウム「SCT for bone marrow transplantation」では、韓国・アメリカ・イタリアから招聘した世界のオピニオンリーダーの先生方とともに、再生不良性貧血に対する骨髄移植の課題について検討されました。
最終日の夕刻には、市民公開講座を企画しました。
特別講演に前宮城県知事の浅野史郎氏をお迎えしたほか、移植に係わった皆さんと「無限の喜び」を分かち合うべく、実際に当院で骨髄移植を受けた患者さん、骨髄バンクドナー経験者、主治医、看護師等、様々な立場からのメッセージをいただきました。
通常の講演会とは切り口が異なった涙あり笑いありの講演会でした。
金沢での開催は第3回(服部絢一教授)、第11回(松田保教授)に続いて3回目でした。
本学は本邦の骨髄移植を牽引したパイオニア施設の一つであり、教室の名前が細胞移植学とあるのもこの伝統に由来するものと思います。
(続く)金沢大学第三内科:血液・移植グループ(3)へ
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18
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