金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年03月06日

金沢大学呼吸器内科(気道疾患):研究室紹介(3)

金沢大学呼吸器内科(専門呼吸器内科):研究室紹介(2)から続く。

  

【呼吸器研究グル−プ(3)】

<気道疾患グループ>

慢性咳嗽、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関して基礎的・臨床的研究を継続しています。

「アトピー咳嗽の確立」と「慢性咳嗽診療の標準化」に取り組み、国内外をリードする我々のグループにとって、各々の疾患における咳嗽の発生機序の解明と治療法の開発は義務となっています。

アトピー咳嗽に関する基礎的研究は、徳田先生が学位研究「アレルギー機序による咳感受性亢進と各種免疫調整薬の影響」によってマクロライドの新作用を発見し、あっという間にPulmonary Pharmacology and Therapeuticsに採用されました(学位論文)。

咳喘息の咳嗽発生機序に関する研究(大倉先生)は順調に進んでいます。

動物実験では、気管支平滑筋収縮がAδ神経線維を刺激して咳嗽を発生するという新事実を突き止めました(Experimental Lung Research、学位論文)。


臨床研究では、気管支平滑筋収縮による咳嗽反応に、疾患による特徴があるという興味ある知見が得られました。

例えば、喘息患者では、平滑筋が収縮しても咳嗽が誘発されにくい(impaired cough response to bronchoconstriction)などです。この反応は咳喘息の基本病態につながる重要な検査となる可能性があります。

徳田先生はアトピー咳嗽の研究と平行して、「TNF-α(COPDで増加)とIFN-γ(ウイルス感染で増加)によるToll-like receptor 2の発現とその制御」について検討を進め、その成果が出つつあります(一部は投稿中)。

 

(続く)

金沢大学呼吸器内科(間質性肺炎):研究室紹介(4)

 


【関連記事】  咳嗽の診断と治療

1)ガイドライン

2)咳嗽の定義 & 性状

3)急性咳嗽

4)遷延性咳嗽 & 慢性咳嗽

5)咳嗽の発症機序

6)診断フローチャート

7)咳喘息

8)アトピー咳嗽 vs. 咳喘息

9)副鼻腔気管支症候群(SBS)

10) 胃食道逆流症(GERD)

11)慢性咳嗽&ガイドライン

 

【関連記事】

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肺がんに気づくサイン

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 02:35| 呼吸器内科