金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年07月01日

抗血栓療法:抗トロンビン薬(1)

血栓症の発症を抑制する治療のことを、抗血栓療法と言います。

抗血栓療法には、抗血小板療法と抗凝固療法があります。

その使い分けに関しましては、過去の記事も参考にしていただければと思います。

今回のシリーズは、抗トロンビン薬についてです。

 

抗凝固薬

 

【はじめに】

抗凝固薬開発の経緯で興味あることとして、活性型血液凝固第X因子(Xa)およびトロンビンの2活性型凝固因子のうち、より選択的に抗Xa活性を有する薬剤と、より選択的に抗トロンビン活性を有する薬剤の相反する方向性での探究が行われてきた点です。

それぞれの抗凝固薬については、効果、副作用両面からの検証が必要ですが、どの薬剤が優れた薬剤であるかはまだ結着はついていません。管理人らは、種々の臨床の状況ごとに最も有用な薬剤は異なってくるのではないかと考えています。


抗凝固薬探究の別の観点からの動向として、内服可能な薬剤の開発が挙げられます。

現在内服可能な抗凝固薬はワルファリン(参考:PT-INR)のみですが、本剤はビタミンK依存性凝固因子活性を低下させますが、ヘパリンのように活性型凝固因子を阻止する訳ではありません。

活性型凝固因子を阻止しうる内服可能な抗凝固薬の開発は、臨床的に今後最も期待されるところです。

 

(続く)

ヒルジン:抗トロンビン薬(2)

 


【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26| 抗凝固療法 | コメント(0)

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