2010年08月04日
症状&身体所見:血球貪食症候群(HPS)(3)
分類:血球貪食症候群(HPS)(2) より続く。
【HPS/HLHの症状&身体所見】
HPS/HLHの一般的な症候・身体所見は、発熱(通常激烈かつ持続性)・肝脾腫・血球減少です。
さらに、以下の所見を伴うことがあります。
・高トリグリセライド血症(成人は稀)
・低フィブリノゲン血症(成人は稀)を伴う凝固異常
・トランスアミナーゼ上昇、LDH上昇
・高フェリチン血症
・可溶性IL-2レセプター高値
・神経症状(けいれん、失調、髄膜刺激症状、興奮、筋緊張亢進または低下、脳神経麻痺、意識障害など)
・リンパ節腫脹
・急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
・皮疹、黄疸、浮腫
・低ナトリウム血症、低アルブミン血症
・NK活性の低下または消失、など。
二次性HPS/HLSはこれに原疾患によるものが加わります。
組織所見では、骨髄、肝臓、脾臓、リンパ節に血球貪食像を伴う成熟組織球増加やリンパ球・マクロファージの増加がみられます。
肝生検では、慢性持続性肝炎に類似した組織像がみられます。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:54| 血液疾患(汎血球減少、移植他)