成人HPS/HLHの治療:血球貪食症候群(HPS)(7)
小児HPS/HLHの治療と予後:血球貪食症候群(HPS)(6) より続く。
成人HPS/HLHの治療と予後
成人HPS/HLHは二次性に起こるため、原因疾患の診断・治療がより重要となります。
薬剤性が疑われる場合には、原因薬剤を中止します。
腫瘍関連HPS/HLHは原疾患の治療を優先します。
急激に進行する場合(特にEBVAHS)などには、小児HPS/HLHに準じた化学療法を行っても良いです。
EBV以外の感染症や自己免疫疾患など非腫瘍性の場合、全身状態が落ち着いていれば、原因疾患の治療のみで改善することも多いです。
高サイトカイン血症による臓器傷害予防に、ステロイドの先行投与や血漿交換などが試みられていますが、有効性は不明です。
T/NK細胞性は比較的若年層に多く(一次性・二次性HPS/HLHの診断:血球貪食症候群(HPS)(5))、全体に予後不良です(小児HPS/HLHの治療と予後:血球貪食症候群(HPS)(6))。
Ishii E, et al: Nationwide survey of hemophagocytic lymphohistiocytosis in Japan. Int J Hematol 86:58-65, 2007
LAHSが疑われ全身状態が急激に悪化する場合、組織診が得られる前に、臨床診断だけで抗がん剤治療を開始して良いです。
(続く)臍帯血移植後HPS/HLHと骨髄GVHD:血球貪食症候群(HPS)(8) へ
移植片対宿主病(GVHD)の分類と診断
【シリーズ】溶血性貧血(PNH、AIHAほか) (8回シリーズ)
【シリーズ】造血幹細胞移植後の再発(4回シリーズ)
【シリーズ】造血幹細胞移植前処置としてのATG(6回シリーズ)
【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37| 血液疾患(汎血球減少、移植他)