金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2010年09月04日

播種性血管内凝固症候群(DIC):医学部CBT過去問解説

CBT過去問の予想問題の解説

1)発熱:医学部CBT過去問解説

2)出血傾向:医学部CBT過去問解説

3)発熱と出血:医学部CBT過去問解説

4)血液凝固検査:医学部CBT過去問解説

より続く。

シリーズですので、前記事の1)2)3)4)をご覧になっていない場合には、上記の前記事からご覧いただけるでしょうか。

 

<今回のCBT症例の要点>

感染症を発症したと考えられる症例です。

出血症状(下肢に斑状の出血)がみられています。

血小板数低下、PT延長、フィブリノーゲン低下、FDP上昇より、播種性血管内凝固症候群(DIC)合の合併が考えられます。FDP上昇が極めて特徴的所見です。

なお、FDP上昇は、DICの他には深部静脈血栓症(DVT)や肺塞栓(PE)でもみられます。


<キーワード>

1)発熱、抗菌薬(→感染症)

2)斑状の出血が多数(→出血症状)

3)血小板数著減、FDP上昇、フィブリノーゲン低下(→DIC)

4)PT延長(→DICの他に、ビタミンK欠乏症、肝不全などでも。)

 

<DICの診断> 血液凝固検査(図解)

厚生労働省DIC診断基準 :以下項目の有無または値によりスコアリング.

1. 基礎疾患の存在.
2. 出血症状の存在.
3. 臓器症状の存在.
4.    血小板数の低下
5.    血中FDP(Dダイマー)の上昇
6.    血中フィブリノーゲンの低下
7.    プロトロンビン時間(PT)の延長(進行例ではAPTTも延長)

 

<DICの検査所見(診断項目以外) 血液凝固検査(図解)

1. アンチトロンビン (AT)の低下
2. プラスミノゲンの低下、α2プラスミンインヒビター( α2PI )の低下。
3. トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)の上昇。
4. プラスミン-α2PI複合体(PIC) の上昇。
 


 

【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

金沢大学血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

◆この記事へのコメント:

※必須