金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年09月10日

アスピリン&ワルファリン:医学部血液内科試験

 

平成22年度血液内科「病棟実習」試験 問題紹介と解説を続けたいと思います。
今回の問題は、正答率88.8%です。

 

血栓止血の臨床に関する記載として正しいはどれか.1つ選べ.

(a)    肺塞栓(PE)に対する抗血栓療法としては,アスピリンが第一選択である.

(b)    冠動脈ステント留置後に対する抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択である.

(c)    心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては,アスピリンが第一選択である.

(d)    線溶療法を行うと血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)活性が低下する.

(e)    未分画ヘパリン(標準ヘパリンとも言う)はアンチトロンビン非依存性に抗凝固作用を発揮する.

 


(解説)

参考:抗血栓療法、抗血小板療法、抗凝固療法(アスピリン、ワーファリン)

(a)    肺塞栓(PE)に対する抗血栓療法としては,内服薬としてはワルファリンが第一選択です。

(b)    冠動脈ステント留置後に対する抗血栓療法としては,アスピリンやプラビックスなどの抗血小板薬が用いられます。

(c)    心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては、ワルファリンが第一選択です。

(d)   その通りです。なお、PICは上昇します。

(e)   未分画ヘパリン(標準ヘパリン)はアンチトロンビン依存性に抗凝固作用を発揮します。ですから、ヘパリンは、アンチトロンビン活性が低下している状況では、充分な効果を発揮しません。

 

(正答)

(d)  

  

【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)

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