血小板数低下:医学部血液内科試験
平成22年度血液内科「病棟実習」試験 問題紹介と解説を続けたいと思います。
今回の問題は、正答率98.1%です。ほとんどの人に正答してもらって嬉しいです。
血小板数低下をきたす疾患に関する記載として正しいものはどれか.1つ選べ.
(a) 溶血性尿毒症症候群(HUS)ではADAMTS 13活性が上昇する.
(b) 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)でピロリ菌感染が証明されれば,除菌療法が約6割の症例で血小板数を上昇させる.
(c) HELLP症候群の3徴候は,溶血,心不全,血小板数低下である.
(d) 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては,平均血小板容積(mean platelet volume:MPV)が上昇する.
(e) 挙児を希望する抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性患者に対しては,ビタミンKの内服が有効である.
(解説)
今回は、問題選択肢の中でも参考となるブログ記事にリンクをはりました。
(a) 溶血性尿毒症症候群(HUS)では、ADAMTS 13活性はあまり変化しません。血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)では、ADAMTS13に対する自己抗体が出現して、ADAMTS13活性が低下します。
(b) ピロリ菌感染が証明されれば,除菌療法が約6割の症例で血小板数を上昇させるは、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)です。
(c) HELLP症候群の3徴候は,溶血,肝不全,血小板数低下です。
(d) その通りです。参考記事:MPV、PDW(血小板マーカー)
(e) 挙児を希望する抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性患者に対しては,アスピリン療法や、アスピリン&ヘパリン併用療法が行われることがあります。なお、ワルファリンは、催奇形性の副作用のため使用できません。
(正答)
(d)
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:32| 医師国家試験・専門医試験対策 | コメント(0)