金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年09月15日

輸血学:医学部血液内科試験問題


血液内科(輸血学)の問題紹介と解説を続けたいと思います。

 

輸血に関して正しいのはどれか。一つ選べ。

a  体重80 kgの患者に赤血球製剤を2単位輸血すれば、Hbは約2 g/dL上昇する。

b  輸血した血小板の約10%は脾臓に捕捉される。

c  Corrected count increment (CCI)の計算は、血小板輸血効果の評価に役立つ。

d  新鮮凍結血漿製剤は融解後6時間以内に輸注する。

e  造血幹細胞移植時の輸血療法は、血小板輸血より赤血球輸血が中心となる。




(解説)

a 赤血球製剤を1単位輸血すると、Hbは [40/体重] (g/dL)の増加が期待できる。したがって、予測Hb上昇は1 g/dLとなる。

b 輸血した血小板の1/3が脾臓で補足され壊される。

c 正しい。

d 新鮮凍結血漿製剤は、凝固因子の失活を防ぐため、融解後3時間以内に輸注する。

e 造血幹細胞移植時の輸血療法は、血小板輸血が中心である。




(答え) c

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:14| 医師国家試験・専門医試験対策