金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年09月28日

CBT試験問題(こあかり):血管収縮作用&血栓

CBT試験(こあかり)の問題紹介と、解説&正答の記事を続けたいと思います。



強力な血管収縮作用を持ち、血栓形成に関与するのはどれか。


A.    アンジオテンシンII

B.    一酸化窒素

C.    エンドセリン

D.    活性酸素

E.    心房性ナトリウム利尿ペプチド

F.    トロンボキサン

G.    内皮細胞由来過分極因子

H.    ブラジキニン

I.    プロスタグランジン



(解説)

・ アンジオテンシンII:血圧上昇作用があります。

・ 一酸化窒素(nitric oxide:NO):血管拡張作用があります。

・ エンドセリン:強力な血管収縮作用があります。

・ 活性酸素:酸化作用があります。

・ ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(Human Atrial Natriuretic Peptide:HANP ):血管拡張作用とナトリウム利尿作用があります。

・ トロンボキサン(TX):血小板凝集作用、血管収縮作用があります。TXA2の代謝産物がTXB2です。

・ 内皮細胞由来過分極因子(endothelium-derived hyperpolarizing factor, EDHF ):血管拡張作用があります。

・ ブラジキニン:血圧降下作用があります。

・ プロスタグランジン(PG):PGには、多くの種類が知られていますが、例えば、PGI2には、血管拡張作用、血小板凝集抑制作用があります。



(正答)C



(感想)

トロンボキサンにも血管収縮作用や血栓形成作用がありますので、Fも正答になりえます。今回は、血管収縮作用が「強力」であることに注目して、エンドセリンを正答としました。しかし、かなり微妙です。

なお、血栓形成作用がより直接的であるのは、トロンボキサンの方です。

正答が1つのみであるならば、かなり悩ましい問題のように思いました。



【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35| 医師国家試験・専門医試験対策