金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年10月02日

CBT試験問題(こあかり):点状出血

CBT試験(こあかり)の問題紹介と、解説&正答の記事を続けたいと思います。

 

今回は、点状出血に関する問題です。




32歳の女性。下肢の点状出血を主訴に来院した。


血液所見:

赤血球410万、Hb14g/dL、Ht34%、網赤血球11‰、白血球5200、血小板1.2万

出血時間7分(基準1〜3)

プロトロンビン時間(PT)10.3秒(基準対照11.3)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)33.8秒(基準対照32.2)、

骨髄塗沫標本では巨核球が増加していた。



A.    特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

B.    血友病

C.    アレルギー性紫斑病

D.    溶血性貧血

E.    肝硬変

F.    急性白血病

G.    播種性血管内凝固症候群(DIC)

H.    ビタミンK欠乏症



(解説)

特発性血小板減少性紫斑病(ITP):臨床的には点状出血が特徴的です。血小板数の低下、骨髄での巨核球の増加が教科書的所見です。PTやAPTTは正常です(血液凝固検査入門(図解))。

血友病:血友病A(第VIII因子の先天性欠損)、血友病B(第IX因子の先天性欠損)のいずれであっても、APTTが延長しますが、PTや出血時間は正常です。関節内出血が特徴的です。

アレルギー性紫斑病:下肢に左右対照性の紫斑が出現します。血小板数、PT、APTTはいずれも正常です。

・ 溶血性貧血:貧血をきたします。

・ 肝硬変:しばしば汎血球減少症をきたします。肝における凝固因子産生低下を反映して、PT&APTTの延長がみられやすいです。

・ 急性白血病:白血病細胞が出現します。

播種性血管内凝固症候群(DIC):血小板数&フィブリノゲン低下、FDP&Dダイマー上昇の所見が見られます。

ビタミンK欠乏症:ビタミンK依存性凝固因子(半減期の短い順に、VII、IX、X、II)が低下します。PT&APTT(特にPT)が延長します。



(正答)A





【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02| 医師国家試験・専門医試験対策