2010年11月11日
敗血症と凝固・DIC(1)活性化プロテインCの意義
今回から、敗血症と凝固・DICをシリーズでお届けしたいと思います。
特に、抗凝固作用のみでなく、抗炎症作用も注目されている活性化プロテインCにスポットライトをあてたいと思います。
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敗血症と凝固・DIC(1)活性化プロテインCの意義 〜 イントロ 〜
敗血症における炎症と凝固のクロストークの存在が注目されるようになり、抗炎症と抗凝固の両作用を有する治療薬が求められています。
また、重症敗血症を対象にした遺伝子組換えヒト活性化プロテインC(APC)の臨床試験の結果(予後改善効果)は、当時大きなインパクトをもって世界に発信されました。
APCは、そういう背景の中で脚光を浴びています。
APCは、抗凝固、向線溶作用を有するのみならず、血管内皮PC受容体と結合することでPAR-1を活性化し、さまざまな抗炎症効果、細胞保護作用を有しています。
血管内皮におけるAPC・PCR・PAR-1システムによる抗炎症効果、細胞保護効果に関する基礎的研究が多かったですが、近年は白血球を介したAPCの抗炎症効果も注目され、研究対象となっています。
(続く)敗血症と凝固・DIC(2)凝固活性化 へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 13:28| DIC