金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2010年12月22日

血液内科問題(骨髄増殖性疾患&骨髄腫):(兼)医師国家&専門医 試験対策

金沢大学 血液学系統講義試験の問題紹介を続けたいと思います。

今回は、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫などに関する問題です。

 

 

17. 疾患名と症状・合併症の組み合わせで誤っているものはどれか。1つ選べ。

a)    慢性骨髄性白血病 ― 胃潰瘍
b)    本態性血小板血症 ― 一過性脳虚血発作
c)    原発性骨髄線維症 ― 巨舌
d)    多発性骨髄腫 ― 圧迫骨折
e)    原発性マクログロブリン血症 ― 眼底のソーセージ様静脈怒張

正答)c)

正答率)81.3 %


18. 疾患名と検査所見の組み合わせで不適切なものはどれか。1つ選べ。

a)    慢性骨髄性白血病 ― JAK2遺伝子変異陽性
b)    真性多血症 ― 血清エリスロポエチン値の低下または正常
c)    本態性血小板血症 ― 巨核球の増加
d)    骨髄線維症 ― 涙滴赤血球
e)    多発性骨髄腫 ― 正常免疫グロブリン値の低下

正答)a)

参考:骨髄増殖性疾患と血栓症

正答率) 81.3 %



19. 初回治療としては通常選択しないものはどれか。1つ選べ。

a)    慢性期の慢性骨髄性白血病 ― イマチニブ
b)    めまいを伴う真性多血症 ― 瀉血
c)    血栓症状を伴う本態性血小板血症 ― 低用量アスピリン
d)    貧血症状の強い原発性骨髄線維症 ― 蛋白同化ホルモン
e)    若年の多発性骨髄腫 ― 同種末梢血幹細胞移植

正答)e)

正答率) 57.3 %

 

20.多発性骨髄腫の治療に用いない薬剤はどれか。1つ選べ。

a)    メルファラン
b)    ハイドロキシウレア
c)    サリドマイド
d)    レナリドミド
e)    ボルテゾミブ

正答)b)

参考:多発性骨髄腫と血栓症

正答率) 74.0%

 

21. 多発性骨髄腫に関する記述で誤っているものはどれか。1つ選べ。

a)    高齢者に多い。
b)    高カルシウム血症を伴う場合は治療を要する。
c)    G-band法による染色体検査では染色体異常の検出率は高い。
d)    血清アルブミン値と血清β2-ミクログロブリン値を組み合わせることによって予後予測が可能である。
e)    MGUSが進展して発症する例もある。

正答)c)

正答率) 88.5 %



22.POEMS症候群の5徴に含まれない所見はどれか。1つ選べ。

a)    中枢神経障害
b)    臓器腫大(肝脾腫など)
c)    内分泌異常(耐糖能低下・無月経など)
d)    M蛋白血症
e)    皮膚症状(色素沈着・剛毛など)

正答)a)

正答率) 82.3 %

 

 

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01| 医師国家試験・専門医試験対策