金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年02月11日

造血幹細胞(さい帯血)の採取:造血幹細胞移植入門(33)


造血幹細胞移植入門(インデックス)


造血幹細胞移植入門:造血幹細胞(さい帯血
)の採取

さい帯血は、赤ちゃんやお母さんに負担がかからない、安全な方法で採取されます。

出産が終わったあと、胎盤とさい帯血に残っている血液を採取し、凍結保存されます。

赤ちゃんやお母さんに痛みや苦痛はなく、分娩後の経過にも影響しません。


さい帯血の採取方法には、赤ちゃんが生まれた後、胎盤がお母さんの体内に残っている間に採取する「娩出前採取」と、胎盤娩出後、さい帯につながった胎盤をお母さんの体外へ取り出したあとに採取する「娩出後採取」があります。


なお、さい帯血が採取できる施設はかぎられます。

そのほか、企業が赤ちゃん自身のためにその赤ちゃんのさい帯血を保存する「さい帯血の私的保存」は、安全性や実効性など多くの問題があり、日本造血細胞移植学会と日本さい帯血バンクネットワークは反対しています。


日本造血細胞移植学会. http://www.jshct.com/. 2010.

日本さい帯血バンクネットワーク. http://www.j-cord.gr.jp/. 2010.



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:28| 血液疾患(汎血球減少、移植他)