金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2011年02月16日

血液型不適合移植時の輸血:造血幹細胞移植入門(37)


造血幹細胞移植入門(インデックス)


造血幹細胞移植入門:血液型不適合移植時の輸血血液製剤選択

非適合
ABO不適合移植時の輸血血液製剤選択は、米国血液銀行協会ガイドライン(図)に従います。

造血幹細胞移植後の輸血は、血小板輸血が中心となります。


患者がRhD陰性の場合、RhD陰性提供者を第一選択としますが、見つからない場合、RhD陽性でもやむを得ません。

この場合、RhD不適合移植となります。


患者がRhD陽性・提供者がRhD陰性の場合、移植後の赤血球輸血はRhD陰性製剤を第一選択とします。

血小板・FFPは、Rh血液を特定する必要はありません。


患者がRhD陰性・提供者がRhD陽性の場合
、 ABO主不適合と同様、赤血球除去処理を行います。

患者がRhD陽性・提供者がRhD陰性の場合
、提供者のリンパ球が患者赤血球に感作され、抗D抗体が産生される恐れがあります(溶血性貧血が起こります)。






【関連記事】
肝障害/黄疸症例の抗がん剤治療(7回シリーズ)
腎障害と抗がん剤治療(5回シリーズ)
HEPAフィルターとLAF(3回シリーズ)
造血幹細胞移植
移植片対宿主病(GVHD)の分類と診断
血球貪食症候群(HPS)(8回シリーズ)
溶血性貧血(PNH、AIHAほか) (8回シリーズ)
造血幹細胞移植後の再発(4回シリーズ)
造血幹細胞移植前処置としてのATG(6回シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC:図解シリーズ)


【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ホームページ

金沢大学 血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38| 血液疾患(汎血球減少、移植他)