造血幹細胞移植の夢と現実(1)骨髄移植
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)の同門会報から、教授コーナーの記事(by 中尾眞二教授)を紹介させていただきます。
執筆時点から、月日が経過していますので、現状に合わない部分があるかも知れませんが、ご容赦お願いいたします。
造血幹細胞移植の夢と現実(1)
2010年8月1日で教授就任後11年が経過しました。定年まで勤め上げることができたとしますと、マラソンで言えば折り返し点を過ぎたところになります。
相変わらず医師不足に苦しんではいますが、一つの教室に勤め続けてきたことが、最近では研究の成果として身を結びつつあるように感じています。
昨年の本コーナーでは、10年の区切りの年であったため、骨髄不全領域における私自身の研究の歩みを紹介しました。
今回は第三内科のもっとも重要な研究テーマである骨髄移植(最近では造血幹細胞移植と言います)について、教授就任前後の研究の流れを紹介したいと思います。研究といっても、私たちが行っているのは臨床寄りの研究ですので難しい話はありません。気軽に読んで下されば幸いです。
骨髄移植と第三内科
病棟実習に来る学生と話をしていると、「先生はどうして血液内科を選んだのですか」と聞かれることがよくあります。
その質問に違和感を覚えるのは、当時は血液内科という枠組みではなく、第三内科というナンバー内科であったこともありますが、それに加えて、血液内科を専門とするというよりも骨髄移植でがんを治したいというのが入局のきっかけであったためです。
ご存知のように、日本における近代骨髄移植は、服部絢一初代教授の強力な指導力の下に金沢大学第三内科で産声をあげました(敬虔なクリスチャンでいらした服部先生の名言「不治の病を治した時の喜びは無限に近い」は今も移植医療の原点となっています)。
私が入局した頃、通常の臨床カンファレンスとは別に週1回行われていた骨髄移植カンファレンスは、海外の文献から新しい情報を取り入れて患者さんの治療に役立てようという熱気で満ち溢れていました。
誰も知らない新しい世界に挑戦するという興奮や喜びは、あの頃の骨髄移植カンファレンスを通して学んだような気がします。
免疫と血液を健康な人のものにそっくり入れ替えるというダイナミックな治療に学生時代から魅力を感じていたこともあり、原田実根先生が率いる骨髄移植グループに属することになりました。
(続く)
【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47| 血液内科