米国血液学会(学会便り)2:金沢大学血液内科
米国血液学会(学会便り)1:金沢大学血液内科 より続く。
「2009年米国血液学会」(2)
4,098題の発表がありました。
抄録集への非掲載もあり、全体の応募数は不明ですが、採択率は6割程度のようです。
教室員が筆頭演者のものは6題採択され、存在感を示すことができました。
6題はいずれ劣らぬ内容で注目度も高く、演者は、矢継ぎ早に投げかけられる質問への対応に追われていました。
高松博幸博士は、肝炎後再生不良性貧血にかかわる自己抗体を世界で初めて同定し、診断・治療へ向けた新境地を築きました。
また、杉森尚美博士は、全国から収集した造血不全患者の膨大なデータベース解析により、免疫性病態と染色体異常の関連を明らかにし、大きな注目を集めました。
今回の学会で唯一残念だったのは、ほぼ毎日雨に降られたことです。
よほど珍しいことのようで、地元の人達も驚いていました。
お陰で、フレンチクォーターを散策する誘惑に駆られることもなく、日々勉強に励むことができました(?)。
ほかの参加者達もそうだったのでしょう。
今年はいつになく会場に人が溢れていた気がします。
ニューオリンズと言えば忘れてならないのがニューオリンズ・セインツです。
ちょうど学会期間中の日曜日午後セインツがレッドスキンズを逆転で破り、12連勝で地区優勝を決めました(地区優勝記念シャツはその前から店頭に並んでいましたが)。
学会場が一番騒がしかった瞬間かもしれません。
セインツがその勢いのままスーパーボールを制したのは、記憶に新しいところです。
第三内科では、肺癌グループがASCO(6月)での発表を、血液グループがASH(12月)での発表を常に目指しています。
半年毎に開かれる世界最大規模のがん学会に教室員がこぞって参加し、知識を新たにするという取り組みは、病気で苦しむ患者さんを一人でも多く救うべく、がん診療や研究に情熱を傾けている第三内科の姿勢を如実にあらわしています。
国際学会参加を通じてわき起こってきた熱い思いや斬新なアイデアを活かし、今後もさらなるブレイクスルーを目指したいと考えています。
【リンク】金沢大学血液内科・呼吸器内科関連
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:16| 血液内科