金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年06月16日

勤務医から開業医へ辿りついた道(2) by 金沢大学第三内科OB


勤務医から開業医へ辿りついた道(1) by 金沢大学第三内科OBより続く


勤務医から開業医へ辿りついた道(2)

開業の才覚などないと自覚していたので、開業を決意した時には清水の舞台から飛び降りる覚悟だった。

実際開業をしてみて、日常の生活パターンはある程度変わった。

現在は朝8時30分から夜19時過ぎまで外来勤務のみで、軽症からかなり重症までの専門分野の患者が診療の過半数を占めている。

日中の忙しさは勤務医時代とそれ程変わらず、休憩は冬場になると食事時間を含め10分以内のこともある。

夜は携帯電話がなることは少なくなったので、布団の上で普通に眠れることがうれしく感じる。

休日には、患者への対応は少なくなった一方、電子カルテ中心の業務がたまるので、カルテや書類の記入、レセプトチェックなどで毎週末に5〜6時間ほど医院に缶詰状態である。

ちなみに厚生労働省の2009年の「医師需給に係る医師の勤務状況調査中間集計結果」によると、勤務医の一週間当たりの勤務時間は66.4時間とのことで、開業後の自身の勤務時間は冬場では65時間程と同程度となっている。

また医師会の業務が徐々に増えており、学校医、介護審査委員、その他、夜の会合は多い。

経営はある程度順調でも借金のことを考えると、自分が病気で休むことは簡単にはできない。

専門医の知識を深めるために学会出張もしたいが、来院患者のことを考えると、1年に1回が限度。

朝自宅から医院までの片道2.5kmの通勤を、毎日早足ウォーキングしてストレスを発散している。

そして一番の変化した点としては、勤務医時代は患者の診療や病院業務、学会発表などに費やす時間が8〜9割を占めたが、開業してその占める割合は3〜4割で、経営、従業員の諸問題、事務処理など対外的対応の占める割合が過半数となり、この点では患者の診療に集中していた勤務医の時代が良かった気がする。
 
 
 
 
 【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33| その他