金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年07月06日

TTPに対する遺伝子組換えADAMTS13製剤

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の病態に、ADAMTS13活性や抗ADAMTS13抗体が重要な役割を演じていることが明らかになるに伴い、TTPの治療薬としてのADAMTS13に期待が集まっています。

 

今回紹介させていただく論文は、遺伝子組換えADAMTS13の可能性を論じた報告です。

 

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「遺伝子組換えADAMTS13はTTP患者血漿のVWF切断活性を正常化する

著者名:Plaimauer B, et al.
雑誌名:J Thromb Haemost 9: 936-944, 2011.


<論文の要旨>

後天性TTPにおいてはVWF切断酵素であるADAMTS13の高度欠損がみらます(ADAMTS13に対する自己抗体が出現します)。

TTP症例における血漿交換は、この自己抗体を除去し、欠損した酵素(ADAMTS13)を補充するという意味での意義を有しています。


著者らは、TTP患者に対する遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)による治療の可能性を探るために、ADAMTS13に対するインヒビターが存在する血漿において同薬がVWF分解活性を正常化するかどうか検討しました。

TTP患者36例より血漿検体を得て、rADAMTS13を加えることでADAMTS13活性が復活するかどうか評価しました。


その結果、中和自己抗体存在下の血漿において、インヒビターの力価とVWF切断活性を回復させるために必要なrADAMTS13量には相関関係がみられました。


以上、後天性TTPに対するrADAMTS治療は、本疾患における付加的な治療法として今後検討すべき価値があるものと考えられました。

 
 
 【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:27| 出血性疾患