凝固と炎症のクロストーク4:TLR2&4/ヒストン、肝障害
凝固と炎症のクロストークに関する論文(ヒストン関連)を紹介させていただいています。
今回紹介させていただく論文は、このシリーズの最後になります。
凝固と炎症のクロストーク(ヒストン関連)ー インデックス ー
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凝固と炎症のクロストーク3:トロンボモジュリン/プロテインC
Extracellular Histones Are Mediators of Death through TLR2 and TLR4 in Mouse Fatal Liver Injury.
Xu J, Zhang X, Monestier M, Esmon NL, Esmon CT.
J Immunol. 2011 Jul 22. [Epub ahead of print]
細胞外ヒストン(extracellular histones)は、敗血症死亡における主たるメディエーターです。
ヒストンを投与しますと、サイトカインレベルが上昇します。
ヒストンは、TLR2およびTLR4を活性化しますが、この反応はDNAに結合することで増強します。
TLR4の活性化が、ヒストン依存性のサイトカインレベル上昇に関与しています。
著者らは、ヒストンの遊離が病態にどの程度影響を与えているかを2つのモデルを使用して検討しました。
一つは、Con AでT細胞を活性化させた炎症モデル、もう一つはacetaminophen中毒モデルです。
どちらのモデル(炎症モデル・中毒モデル)においてもヒストンが遊離されて、抗ヒストン抗体は防御的に作用しました。
TLR2- or TLR4-null mice においても防御的に作用しました。
以上、炎症性障害や化学物質で誘発された細胞障害において、ヒストン遊離が致命的に作用し、TLRsが少なくとも部分的に関与しているものと考えられました。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21| DIC