国際血栓止血学会(ISTH):SSC(DIC)診断基準
国際血栓止血学会(ISTH)/学術標準化委員会(SSC)/DIC部会の報告を続けさせていただきます。
国際血栓止血学会(ISTH):SSC(DIC)Microperticle より続く。
凝固と炎症のクロストーク(ヒストン・トロンボモジュリン・プロテインC)ーインデックスー
Subcommittee on Disseminated Intravascular Coagulation(DIC)
2011年7月24日(日)9:00-12:00
SSC Session(6)
Controversies in DIC scoring
Nielsenは、DIC診断基準(スコアリング)の問題点について報告しました。
ISTHによって、Overt DIC診断基準と、Non-overt DIC診断基準が提唱されましたが、Non-overt DIC診断基準の有用性は低く(AT活性やPC活性はDIC診断基準に含める意義は乏しいなど)、一つのDIC診断基準に合体されるべきであると報告しました (Toh CH, et al: Blood Coagul Fibrinolysis 16: 69-74, 2005)。
ADAMTS13活性はTTP診断としての意義は確立していますが、DICにおける意義も深いです。ADAMTS13活性が低いDIC症例においては、腎障害が高頻度にみられるという報告が紹介されました(Ono T, et al: 107: 528-534, Blood)。
DICは、Hyperfibrinolytic DICとNon-hyperfibrinolytic DICと病型分類されます。
前者は臨床的には出血症状がみられやすいのに対して、後者は臓器障害がみられやすいです。
後者に対してはトラネキサム酸による抗線溶療法は禁忌ですが、前者に対しては注意深いトラネキサム酸の使用は出血症状に有効なことがあります。
特に敗血症に合併したDICにおいては、capillary leakがみられることがあります。
DICにおいてはアンチトロンビン活性やプロテインC活性が低下する場合がありますが、必ずしも消費性凝固障害のためとは限りません。
血管外への漏出、肝での産生低下、好中球エラスターゼによる分解など、DIC以外の要素で低下することが多いです。
実際、血中アンチトロンビン活性はDICの有無とよりも、血中アルブミン濃度と正相関しています(Eur J Haematol 67: 170-175, 2001)。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:56| DIC