金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2011年08月10日

国際血栓止血学会(ISTH):SSC(DIC)Microperticle

国際血栓止血学会(ISTH)/学術標準化委員会(SSC)/DIC部会の報告を続けさせていただきます。

国際血栓止血学会(ISTH):SSC(DIC)造血幹細胞移植/VOD より続く。

ISTH/DIC部会(SSCシンポジウム)ーインデックスー

凝固と炎症のクロストーク(ヒストン・トロンボモジュリン・プロテインC)ーインデックスー

 

Subcommittee on Disseminated Intravascular Coagulation(DIC)

2011年7月24日(日)9:00-12:00

SSC Session(5)


Microperticle assays in human endotoxemaia

Keyは、血栓性病態におけるMicroperticle assayの意義を論じました。

各種臨床病態において、組織因子(TF)含有のMicroperticles(MPs)(TF-MPs)測定に対する興味が持たれています。血栓性病態の動物やヒトモデルにおいて、TF-MPsが血栓性病態の進展に重要な役割を演じているのではないかと言う考えがあります。
 

TF-MPsの測定法としては、免疫学的な測定方法と、活性で測定する方法があります。

両測定方法には、それぞれ長所と短所があり、どちらも現時点ではgold standardと言える測定法ではありません。


TF-MPsには多様性があり(MP表面上のフォスファチジルセリン<PS>発現状況など)、このことが向凝固活性、循環血からのクリアランスの速度などの多様性と関連しています(Key NS, et al: Thromb Res 125: s42-s45, 2010)。

 

microperticle


a)MPsの向凝固活性はどの細胞由来であるかによって異なっています。PSがMP内部に存在し、TFを含有していない場合には、向凝固活性はもし有していたとしても極めてわずかです。一方、陰性に荷電したPSを表面に有し、TFも含有しているMPsの向凝固活性は最も強力です。

b)微量のエンドトキシンの投与された健常人ボランティアから血小板を除去した血漿を得て、MP-TF活性を測定しました。血漿検体にVIIaとFXを添加して6時間でのFXa形成量を測定しました。LPSが投与されたヒト血漿ではFXaが形成されるが、抗TF抗体も同時に添加されると、FXa形成量は著しく低下しています。





【リンク】

 

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

金沢大学血液内科・呼吸器内科HP

金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ

研修医・入局者募集

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:30| DIC