金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年08月19日

プラザキサ vs ワーファリン 4:リバロキサバンとAPTT



リバロキサバン

心房細動に対する抗凝固療法(心原性脳塞栓の発症予防目的)治療薬としては、長らくワルファリン(商品名:ワーファリン)のみでしたが、この度、新薬であるプラザキサ(ダビガトラン:抗トロンビン薬(6))が登場しました。


プラザキサ vs ワーファリン(心房細動)1:PT-INR&APTT
プラザキサ vs ワーファリン(心房細動)2:モニタリング/INR
プラザキサ vs ワーファリン 3:ダビガトランとAPTT
PT-INR
APTT
ビタミン依存性凝固因子


プラザキサ以外にも、次世代の抗凝固療法治療薬がいくつか出番を待っています。
プラザキサは経口抗トロンビン薬ですが、その他は、経口抗Xa薬の方が多いです。


<経口抗凝固療法の将来>


経口抗トロンビン薬


1)Ximelagatran:肝障害のため開発中止。
2)Dabigatran(商品名:プラザキサ)(ベーリンガーインゲルハイム)


経口抗Xa薬

1)Ribaroxaban(バイエル)
2)Edoxaban(第一三共)
3)Apixaban(ファイザー)
4)YM150(アステラス)など


これらの薬物は、ワーファリンとは異なり、モニタリングが必要ないということをキャッチフレーズにする可能性が高いと推測しています。

本当にそれで良いでしょうか。

管理人らは、プラザキサと同様の理由により、モニタリングは不可欠と考えています。

上図は、リバロキサバンの濃度と、PT-INRやAPTTとの関係をみたものです。
経口抗トロンビン薬であるプラザキサと比較して、経口抗Xa薬であるリバロキサバンではAPTTなどの延長が軽度のようではありますが、しかし、やはり明らかに延長しています。

管理人らは、モニタリングは不可欠と考えています。

しかし、この点に関しましては、専門家の間でも意見が分かれるところではないかと思います。


(続く)

プラザキサ vs ワーファリン 5:抗トロンビン薬 & 抗Xa薬

 
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【リンク】

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19| 抗凝固療法