2011年08月21日
プラザキサ vs ワーファリン 5:抗トロンビン薬 & 抗Xa薬
プラザキサ vs ワーファリン 4:リバロキサバンとAPTT より続く。
新薬ダビガトラン(商品名:プラザキサ)は、心房細動に起因する心原性脳梗塞の予防目的に使用することが可能になりました。
プラザキサ vs ワーファリン(心房細動)1:PT-INR&APTT
プラザキサ vs ワーファリン(心房細動)2:モニタリング/INR
プラザキサ vs ワーファリン 3:ダビガトランとAPTT
プラザキサ vs ワーファリン 4:リバロキサバンとAPTT
PT-INR
APTT
ビタミン依存性凝固因子
ダビガトラン:抗トロンビン薬(6)
従来は、経口抗凝固療法と言えば、ワルファリン(商品名:ワーファリン)のみでしたが、プラザキサに続くかたちで、今後次々といくつかの経口抗凝固薬が登場します。
抗凝固薬ですから、凝固血栓(静脈血栓、あるいは静脈血栓の性格を有した心房細動に起因する心原性脳梗塞など)に対して用いられます。
具体的には、心房細動以外には、深部静脈血栓症をターゲットとした経口抗凝固薬も登場します。
また、虚血性心疾患は、理論的には抗血小板療法(動脈血栓に対して有効)が基本ではありますが、抗凝固療法もトロンビンによる血小板活性化を抑制することで有効である可能性があります。大変楽しみです。
さて、経口抗凝固薬には、プラザキサのように抗トロンビン作用を有したものと、他の薬剤のように抗Xa作用を有したものがあります。
トロンビンを抑制するのと、Xaを抑制するのではどちらが良いのでしょうか(関連記事:抗Xa薬か、抗トロンビン薬か:抗凝固療法開発の歴史)。
トロンビンを抑制する薬剤を開発したサイドの人はキードラッグであるトロンビンを抑制する方が良いと主張するのではないかと思います。
一方、Xaを抑制する薬剤を開発したサイドの人はトロンビンを直接抑制しないので局所の止血を阻害せず出血の副作用が少ないち主張すると思います。
この点は、今後の検討課題ではないかと思います。
管理人は、多分どちらであっても良く、用量の問題ではないかと思っています。
しかし、この点は、専門家の間で意見の分かれるところではないかと思っています。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:56| 抗凝固療法