金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年09月21日

CBT問題(コアカリ):血小板減少

しばらく中断しましたが、CBT問題(コアカリ)を再開したいと思います。


16歳の女子。昨日からの鼻出血を主訴に来院した。2週間前に感冒症状があった。心音、呼吸音に異常は認めない。両下肢に紫斑がみられる。

血液所見:赤 血球400万、Hb12g/dL、白血球5,600、血小板1.2万。PT11.4秒(基準対照11.3)、APTT 32秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン236mg/dL(基準155〜300)。

診断はどれか。


A.    血栓性血小板減少性紫斑病
B.    血友病
C.    再生不良性貧血
D.    特発性血小板減少性紫斑病
E.    播種性血管内凝固症候群
F.    ビタミンK欠乏症
G.    閉塞性動脈硬化症
H.    慢性骨髄性白血病

 

(解説)

上気道感染症が先行して、血小板数が低下し、出血症状をきたしています。

血液検査では血小板数の低下以外には、異常所見は見られません。特発性血小板減少性紫斑病と考えられます。骨髄像では巨核球が増加します。

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)では、

1.血小板数減少


2.溶血性貧血(赤血球破砕像)


3.動揺する精神症状


4.腎障害


5.発熱、が5主徴 です。


血友病ではAPTTが延長します(血小板数は正常)。

再生不良性貧血では、汎血球減少をきたします。

播種性血管内凝固症候群では、PT延長、フィブリノ ゲン低下がみられることはあります(FDP、Dダイマーは上昇)。

ビタミンK欠乏症では、PT&APTTが延長しますが(特にPT)、血小板数は正常です。

 

(正答) D

 

【リンク】

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 医師国家試験・専門医試験対策