2011年12月15日
播種性血管内凝固症候群(DIC):金沢大学血液内科試験問題
抗リン脂質抗体症候群(APS):金沢大学血液内科試験問題 より続く
平成23年度 金沢大学血液内科学系統講義試験:細胞移植学(血液内科)<問題の紹介と正答>
問14. 播種性血管内凝固症候群(DIC)の記載として正しいものはどれか。1つ選べ。
a. PT、APTT、フィブリノゲン、血小板数ともに正常であれば、DICを否定できる。
b. 急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICでは、フィブリノゲンが著減する。
c. 敗血症に合併したDICでは、血中プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)が正常である。
d. 固形癌に合併したDICでは、血中トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)が正常である。
e. 敗血症に合併したDICでは、血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)が著増する。
(解説)
a. このような所見であっても、FDPの上昇があれば播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断されることがあります。
b. 急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICでは、フィブリノゲンが著減します。
c. 全てのDICにおいて、プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)は必ず上昇します。
d. 全てのDICにおいて、トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)は必ず上昇します。
e. 敗血症に合併したDICでは線溶阻止因子PAIが著増するために、線溶活性化に対して抑制がかかります。血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)は、軽度上昇に留まることが多いです。
(正答)b
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18| 医師国家試験・専門医試験対策