金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2011年12月14日

抗リン脂質抗体症候群(APS):金沢大学血液内科試験問題


出血 & 血栓傾向:金沢大学血液内科試験問題
より続く

平成23年度 金沢大学血液内科学系統講義試験:細胞移植学(血液内科)<問題の紹介と正答>


問13.    典型的な抗リン脂質抗体症候群(APS)に関する記載内容として、正しいものはどれか。1つ選べ。

a.    リン脂質依存性凝固時間が短縮する。
b.    静脈血栓症では腸間膜静脈血栓症が最も多い。
c.    ループスアンチコアグラントが陰性であれば、APSを否定できる。
d.    習慣性流産の女性に対しては、ワルファリンによる抗凝固療法を行う。
e.    APS患者血漿:コントロール血漿=1:4の混合血漿で、凝固時間の延長が是正されない。


(解説)

a. 抗リン脂質抗体症候群(APS)では、リン脂質依存性凝固時間(APTTカオリン凝固時間など)は延長します。
b. 静脈血栓症では深部静脈血栓症(DVT)が最も多いです。
c. ループスアンチコアグラントが陰性であっても、抗カルジオリピン抗体が陽性であれば、APSと診断されることが多々あります。
d. ワルファリンには、催奇形性の副作用があります。
e. その通りです(参考:クロスミキシングテスト)。


(正答)
e

【リンク】
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集
 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:00| 医師国家試験・専門医試験対策