2012年02月14日
DICの治療:敗血症
DICの治療(基礎疾患別)(11)敗血症
敗血症に合併したDICの治療
感受性を有した抗生剤投与が最重要です。
抗凝固療法としては、AT濃縮製剤を、1日1,500単位、3〜5日間投与します。
敗血症に合併したDICにおいては多くの例で、AT活性が低下するため、AT濃縮製剤が必要となることが多いです。
日本で認可されているAT濃縮製剤の使用量は大変少なく、充分な凝固活性を期待するためには、ダナパロイド1,250単位×2回/日(腎不全例や低体重例では1回/日に減量)または低分子ヘパリン(75単位/kg/24時間)を併用します(参考:ヘパリン類)。
未分画ヘパリンはかえって予後を悪くする可能性が指摘されており、推奨されません。
遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)(商品名:リコモジュリン)は、敗血症に合併したDICに対しても有効であり、今後も使用頻度が増加する可能性が高いです。
前述のように、AT濃縮製剤とrTMの併用が認められるような医療環境になって欲しいところです。
トランサミンは臓器障害を悪化させるため、絶対禁忌です。
敗血症に合併したDICではしばしば肝不全を合併するため、PTの著明な延長やフィブリノゲンの著明な低下がみられることがあり、この場合にはFFPを投与します。
食事摂取ができない状態で長期間の抗生剤が投与されることに伴って、ビタミンK欠乏症を併発する可能性があるため、ビタミンK 10mg/日程度の予防投与(点滴)を行っておく方が無難です。
(続く)DICの治療:固形癌へ
【リンク】
感受性を有した抗生剤投与が最重要です。
抗凝固療法としては、AT濃縮製剤を、1日1,500単位、3〜5日間投与します。
敗血症に合併したDICにおいては多くの例で、AT活性が低下するため、AT濃縮製剤が必要となることが多いです。
日本で認可されているAT濃縮製剤の使用量は大変少なく、充分な凝固活性を期待するためには、ダナパロイド1,250単位×2回/日(腎不全例や低体重例では1回/日に減量)または低分子ヘパリン(75単位/kg/24時間)を併用します(参考:ヘパリン類)。
未分画ヘパリンはかえって予後を悪くする可能性が指摘されており、推奨されません。
遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)(商品名:リコモジュリン)は、敗血症に合併したDICに対しても有効であり、今後も使用頻度が増加する可能性が高いです。
前述のように、AT濃縮製剤とrTMの併用が認められるような医療環境になって欲しいところです。
トランサミンは臓器障害を悪化させるため、絶対禁忌です。
敗血症に合併したDICではしばしば肝不全を合併するため、PTの著明な延長やフィブリノゲンの著明な低下がみられることがあり、この場合にはFFPを投与します。
食事摂取ができない状態で長期間の抗生剤が投与されることに伴って、ビタミンK欠乏症を併発する可能性があるため、ビタミンK 10mg/日程度の予防投与(点滴)を行っておく方が無難です。
(続く)DICの治療:固形癌へ
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:48| DIC