金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年02月27日

医師国家試験:APTT延長

医師国家試験:特発性血小板減少性紫斑病〈ITP〉より続く。

106回医師国家試験の問題紹介を続けさせていただきます。

 

【設問】

生後6日の男児.頭部の腫瘤を主訴に新生児搬送された.在胎39週2日,3,120gで頭位自然分娩で出生した.仮死はなかった.

出生直後に頭部の腫瘤を認めていた.腫瘤は増大傾向にあり,黄疸と貧血とが出現して次第に増悪してきたため転院した.

意識は清明.身長51.0cm,体重3,080g.両側の頭頂側頭部に径5cmの軟らかい腫瘤を触知する.大泉門の膨隆を認めない.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.

血液所見:赤血球233万,Hb 8.7g/dl,Ht 23%,白血球28,400,血小板28万,出血時間正常,PT 11秒(基準10〜14),APTT 70秒(基準対照27〜40),フィブリノゲン322mg/dl(基準130〜380).血液生化学所見:総ビリルビン16.2mg/dl,直接ビリルビン0.1mg/dl,AST 45IU/l,ALT 12IU/l,LD 700IU/l(基準335〜666)

入院時の頭部単純CT冠状断像(略):巨大な頭部皮下血腫。
 

確定診断に必要な検査項目はどれか.2つ選べ.

a 第VII因子活性
b 第VIII因子活性
c 第IX因子活性
d 第X因子活性
e von Willebrand因子活性



【解説】

腫瘤は皮下血腫です(血腫成分の吸収に伴い、間接ビリルビンやLDHが上昇しているようです)。

APTTの延長がみられますが、PTや出血時間は正常です。

血友病が疑われます。

 

【正解】b、c



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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57| 医師国家試験・専門医試験対策