新規経口抗凝固薬(11): リバーロキサバン(イグザレルト)とAT
新規経口抗凝固薬(10): ダビガトラン(プラザキサ)とAT活性より続く。
参考記事:PT-INR、ダビガトラン、プラザキサ、ワーファリン、リバーロキサバン、アピキサバン、深部静脈血栓症
リバーロキサバン(イグザレルト)ではどうでしょうか。
ダビガトランの場合とは逆の現象がみられます。
すなわち、トロンビン法でアンチトロンビン(AT)活性を測定しましても問題ありませんが、Xa法で測定しますと、artifact的にAT活性が高く測定されるようです。
トロンビン阻害薬であるダビガトランではトロンビン測定法によるAT活性の評価に注意して、Xa阻害薬であるリバーロキサバンではXa測定法によるAT活性の評価に注意が必要ということになります。
施設によってアンチトロンビン(AT)活性測定に用いている試薬が異なると思います。
当院ではXa法ですが、おそらくXa法を採用している施設の方が多いのではないでしょうか。
リバーロキサバン(イグザレルト)内服中の患者さんで、異様にAT活性が高いデータを見ても冷静に判断したいと思います。
なお、念のためですが、ワーファリンを内服してもアンチトロンビン(AT)活性には影響ありません(参考:PT-INR)。
ワルファリンはビタミンK拮抗薬です。
ワルファリンを内服しますとビタミンK依存性蛋白である、VII、IX、X、II、プロテインC、プロレインSは低下します。
生体内の重要な凝固阻止因子であるアンチトロンビン、プロテインC、プロレインSの中で、プロテインC、プロレインSはワルファリンの内服で低下しますので、この2つの凝固阻止因子はワルファリン内服前に測定しておくことが大切なのです。
(続く)新規経口抗凝固薬(12): プラザキサとフィブリノゲン へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 21:38| 抗凝固療法