血液内科学系統講義試験:輸血学(1)
平成24年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成24年7月17日 (火) 試験時間 10時〜11時(60分間)
問題と回答をアップさせていただきます。
今回は輸血学(1)です。
問21. ABO型不適合赤血球輸血について正しいのはどれか。1つ選べ。
a. 死亡率は80%である。
b. 血圧を測定してから輸血を中止する。
c. 不適合輸血が50 mL以内なら救命可能である。
d. O+血をA+患者に輸血すると、ABO不適合輸血になる。
e. 輸血していた製剤は、血液型が確認できれば廃棄して良い。
(解説)
a) 死亡率は20%である。
b) 最初の対応は輸血中止である。次に輸血セットを交換し、乳酸または酢酸リンゲル液を急速静注する。
c) 正しい。
d) ABO異型輸血だが、輸血可能であり、適合輸血となる。
e) 不適合輸血量は予後と関連するため、輸血量の確認も必要である。
(答え)c
問22. 不規則抗体について正しいのはどれか。1つ選べ。
a. 免疫抗体は主にIgMである。
b. 妊婦の不規則抗体検査は不要である。
c. 不規則抗体の陽性率は約10-20%である。
d. 不規則抗体は規則抗体(抗A、抗B)以外の血液型関連抗体である。
e. 免疫抗体は主に不衛生な環境により産生される。
(解説)
a) 主にIgGである。
b) 必要である。
c) 1-2%である。
d) 正しい。
e) 輸血・妊娠・移植が主な原因。
(答え)d
問23. 血液製剤の使用に関して誤っているのはどれか。1つ選べ。
a. 輸血した血小板の約1/3は脾臓に捕捉される。
b. 新鮮凍結血漿は、融解後3時間以内に輸注する。
c. アルブミン投与後の血管回収率は通常約40%である。
d. 体重80kgの患者に赤血球製剤を2単位輸血すれば、Hbは約2 g/dL増加する。
e. 血清アルブミン値2.0 g/dLは、アルブミン投与の絶対適応でない。
(解説)
a) 正しい。
b) 正しい。凝固因子不活化を防ぐため他製剤に比べ短い。
c) 正しい。
d) (40/80)x2=1 g/dL増加する。
e) 低アルブミン血症を単に補正するだけのアルブミン投与は認められない。
(答え)d
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:59| 医師国家試験・専門医試験対策