金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年07月23日

血液内科学系統講義試験:血栓止血学(3)

平成24年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成24年7月17日 (火) 


今回は血栓止血学(3)です。

問15.    播種性血管内凝固症候群(DIC)の記載として正しいものはどれか。1つ選べ。

a.    FDP、血小板数ともに正常であれば、DICを否定できる。
b.    敗血症に合併したDICでは、フィブリノゲンが著減する。
c.    敗血症に合併したDICでは、血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)が著減する。
d.    羊水塞栓に合併したDICでは、血中トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)が正常である。
e.    急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICでは、血中プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)が著増する。

(解説)

a.  正しい。

b.  敗血症に合併した播種性血管内凝固症候群(DIC)では、フィブリノゲンの低下がみられにくい。炎症反応によって、むしろ上昇していることも少なくない。

c.  敗血症に合併したDICでは、血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)は低下しにくい。α2PIは、α2分画に属し、DICがなければむしろ炎症反応で上昇する。

d.  全てのDICにおいて、TATは上昇する。

e.  急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICでは、血中プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)は上昇しない。

 

(答え)a

 

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38| 医師国家試験・専門医試験対策