金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2012年09月06日

内科学卒業試験(血液内科学):DIC

平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)

問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。


10.    播種性血管内凝固症候群(DIC)に関する記載として誤りはどれか.1つ選べ.

a.    敗血症に合併したDICにおいては,血中プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI)が著増する.

b.    急性前骨髄球性白血病に合併したDICにおいては,血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター(PIC)が著増する.

c.    腹部大動脈瘤に合併したDICにおいては,血中プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)が著増する.

d.    線溶抑制型DICにおいては,血中可溶性フィブリン(soluble fibrin:SF)が著増する.

e.    線溶亢進型DICにおいては,血中プラスミノゲンが著増する.



(解説)

a.   敗血症に合併したDICにおいては,血中PAIが著増します. 線溶抑制状態となるため、血栓が溶解しにくく、微小循環障害をきたします。臓器障害がみられやすいのが特徴です。

b. APLでは、線溶亢進型DICをきたします。PICは著増します。

c. 全てのDICにおいて、F1+2やTATは著増します。

d.
全てのDICにおいて、SFは著増します。

e.
線溶亢進型DICにおいては,プラスミノゲンやα2PIが低下します。


(正答)
e

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集
 

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20| 医師国家試験・専門医試験対策