2012年12月10日
ITPと抗リン脂質抗体症候群(APS)(4)
上図は、本邦における特発性血小板減少性紫斑病(ITP)患者の抗リン脂質(aPL)抗体測定状況ですが、7割以上でaPL抗体が未測定という現状があります。
ITPであったとしても大多数の症例で抗リン脂質抗体(抗カルジオリピン抗体、抗カルジオリピン-β2GPI複合体、ループスアンチコアグラントなど)が測定されていないということは、多くの抗リン脂質抗体症候群見逃し症例の存在を意味しています。
もう一つ、注意すべき点があります。
抗カルジオリピン抗体、抗カルジオリピン-β2GPI複合体は定量測定のため施設間差はありませんが、ループスアンチコアグラントは大きな施設間差が予想されます。
ループスアンチコアグラントの測定にあたっては、注意すべき点が多々あります。この注意点を行わなかった場合には、本当は陽性であるにもかかわらず、全て陰性と誤って判断されてしまいます(偽陰性判定される懸念)。
上図によると、抗リン脂質抗体の測定がされた症例では、陽性:陰性は、おおよそ1:10となっていますが、管理人らは、そんなことはないだろうと思っています。
ループスアンチコアグラントが偽陰性判定されているのではないかと思われます。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19| 血栓性疾患