2013年01月07日
血友病と深部静脈血栓症/肺塞栓
論文紹介です。
「血友病患者における静脈血栓症」
著者名:Hermans C.
雑誌名:Thromb Res 130 Suppl 1: S50-S52, 2012.
<論文の要旨>
血友病患者に対する血液凝固因子製剤補充療法が有効かつ安全に行われるようになったため、血友病性関節症の関節形成術が行われることが多くなってきました。
ただし、血友病患者にこのような手術を行った場合の血栓塞栓症の発症頻度や危険因子、予防法などに関する報告はほとんどありません。
血友病患者では凝固因子欠損があるために股関節形成術や膝関節形成術の血栓症発症は低頻度ではないかと考えられていますが、一方で血友病患者の深部静脈血栓症や肺塞栓の症例報告もあります。
整形外科術後の血栓塞栓症予防がガイドラインは一般患者を対象としたものは存在しますが、血友病患者を対象としたガイドラインは存在しません。
本論文では血友病患者の整形外科手術後の血栓塞栓症予防のあり方について論じています。
(参考)
欧州や米国においては、半数の医療期間で血友病患者の整形外科手術後に予防的抗凝固療法(低分子ヘパリンまたはフォンダパリヌクス)を行っているという実状を示した報告があります。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:03| 出血性疾患