2013年01月13日
血友病Bと遺伝子組換えFIX&アルブミン融合蛋白
論文紹介です。
「血友病B患者に対する遺伝子組換えFIX&アルブミン融合蛋白の安全性と薬物動態」
著者名:Santagostino E, et al.
雑誌名:Blood 20: 2405-2411, 2012.
<論文の要旨>
遺伝子組換え第IX因子&ヒトアルブミン融合蛋白(rIX-FP)は、血友病B患者に対する製剤投与回数を減らす目的で開発されました。
治療歴のある血友病B25症例(FIX≦2IU/dL)に対して、rIX-FP25,50,75IU/kgを投与して安全性と薬物動態を評価しました(ヒトに対する最初の用量漸増試験です)。
また、用量50IU/kgにおいて、以前のFIX製剤(血漿由来または遺伝子組換え)使用時と比較しました。
その結果、アレルギー反応やインヒビター発症をきたした症例はありませんでした。
おそらく治療と関連した4つの軽症有害事象がみられました。
rIX-FP50IU/kgの投与された13例での検討では、rIX-FPの平均半減期は92時間であり、以前に使用されていたFIX製剤の5倍以上でした。
rIX-FP25または50IU/kgにより、Day7におけるFIXの基礎値はそれぞれ7.4IU/kg、13.4IU/dLであり、Day14ではそれぞれ2.5IU/dL、5.5IU/dLでした。
rIX-FP、遺伝子組換え製剤、血漿製剤回収率増加は、それぞれ1.4、0.95、1.1IU/dLでした。
以上、rIX-FPは安全性に問題なく、すぐれた薬物動態を有するものと考えられました。
本薬は血友病B患者における輸注回数を減らす上で有用と考えられた。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35| 出血性疾患